992号
新生物流〉解雇にストで対抗 ファミマの責任も問う
ファミリーマートの配送を請け負う新生物流では、組合員に対する解雇撤回闘争が1年半にわたって闘われ、2018年3月に原職復帰を勝ち取り、組織化へ向けた活動を行ってきた。
しかし、コンビニ業界の厳しい淘汰の中で、会社の放漫経営もあり、今年1月15日に「北九州営業所閉鎖・全員整理解雇」の通告を行った。
会社は「赤字だ」と言うのみでまともな説明も無く、整理解雇の要件すら満たさない。
しかも退職金制度も無いため、30名以上の労働者が何の保証も無く路頭に迷わされるのだ。
こんな無責任でいい加減な経営者は許せない。
全国一般ユニオン北九州は、1月24日、会社構内で、解雇撤回・謝罪・生活保障を求める抗議集会とデモを行った。また、2月12日、雨の中会社前での情宣行動に取り組んだ。
会社とは、1月22日、2月6日、2月25日と団体交渉を行い、事業所閉鎖直前の2月25日にようやく社長が出席した。
しかし、まともな経営資料も出さず、業務を引き継ぐ会社は第2組合の組合員たちは継続して雇用し、ユニオン組合員は排除されることが明らかとなった。
最終日の2月28日~29日、ユニオン組合員はストライキで不当解雇に抗議し、交通労連関西総支部大阪トラック連合の脱落もはねのけ貫徹した。
平日の夜22時、しかも雨天という中、14名の仲間が支援に駆けつけた。
分会長は、激励集会の中で、自分たち働く仲間を分断し簡単に切り捨てた会社に対する断固とした抗議のマイクアピールを行った。
翌3月1日までの3日間にわたって営業所前を占拠し、道行く市民にアピールを行った。
われわれは今春闘において、新生物流での不当解雇撤回闘争を全力で闘うとともに、貧困を量産し続けるコンビニ業界に対しても経営責任を追及していく。
末永 弘美(全国一般ユニオン北九州)
日本アクリル〉米国ダウ・ケミカル社による日本工場閉鎖と闘う
自動車の車体や建築物等の塗装材を主に製造する日本アクリル社(本社東京)が、2020年6月工場(名古屋)閉鎖の危機に瀕している。
日本アクリル社は従業員約50名の中小企業だが、毎年数千万円の黒字を出し続け、純資産11億円、品質面でも業界で高い評価を受けている優良企業だ。
「なぜ工場を閉鎖するのか、社長に理由を聞いても説明できない」と、技術者として長年働いてきた林さんは言う。
林さんたちは、50年来労組(全労連・全国一般愛知地本日本アクリル支部)に結集しており、2019年6月に工場閉鎖計画が発表された時から撤回を求めて会社と団交を行ってきた。
社長は親会社ダウ・ケミカルジャパンから派遣された同社の営業部長を兼務し、「日本アクリル社を守るというよりダウ・ケミカルの代弁者」というのが職場の印象だ。
団体交渉で、工場閉鎖を決定したのは世界最大級の化学メーカー、ダウ・ケミカル・カンパニー(米国資本金)が関わっていることが明らかになった。また日本アクリル社は決定に関わっておらず、決定したのはダウ・グループの一事業部であることも認めた。
一事業部の決定に対して、日本アクリル社も親会社のダウ・ケミカルジャパンも一切主体として検討せずに受け入れたという。
労組は、2019年12月、日本アクリル社を東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行った。また親会社と共に実質的な決定者である米国ダウ・ケミカル・カンパニーに対して工場閉鎖撤回を要求し団交を求めている。
2月26日支援共闘会議を結成し、雇用と生活を守るために闘う体制を整えている。
森 治美(全国一般東京地本)
ユナイテッド〉大法廷の弁論延期に解雇撤回まで闘い続く
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月9日に予定していた対ユナイテッド航空(UA)客室乗務員解雇裁判、第3回口頭弁論期日が延期と決定。
東京高等裁判所の書記官から同4日に「コロナウイルスの問題があるなかで、大法廷の事件期日を行うことは適切ではないと裁判体として判断し、期日を取消して、次回期日は『追って指定』ということになりました」という連絡があったユナイテッド闘争団は、現場闘争と裁判闘争をさらに展開し争議解決まで全力を尽くす決意です。
千田 正信(全労ユナイテッド闘争団)
JAL〉「JALの件共有」 オリパラ組織委表明
日本航空は東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーである。
オリ・パラ組織委員会は「持続可能性に配慮した調達コード」を策定して環境・人権・労働などの各分野での国際的な合意や行動規範の尊重・遵守をパートナー企業に求めている。
日本航空は度重なるILO勧告にも従わず、解決の為の団体交渉にも応じず、労働に関する国際的な労働基準(ILO勧告と団体交渉権)を無視し続けている。
こうした日本航空の対応が、オフィシャルパートナーとしての基準を遵守しているのかどうか、組織委員会に対し早急に調査するよう求めてきた。
3ヵ月の粘り強い取り組みの結果、やっと2月25日に組織委員会の担当者と面談が実現し、「JALの件については組織委員会の中で幹部を含めて共有している。JALには争議団から要請があったことを伝えた」との事実が明らかにされた。
鈴木 佳子(JAL不当解雇撤回原告団)