たたかいの現場から
782+783号

テルウェル東日本の闘い
労働条件低下の契約社員か収入ダウンのパートか、苦渋の二択

 NTT傘下であり、電報受付業務を受託するテルウェル東日本株式会社は、パートタイマー社員に「契約社員」への移行を呼びかけました。しかしその内容は、多くの人にとって、時給も低くなり、勤務時間が長くなるという内容でした。  Aさんは、夜間時間帯の勤務でチーフを務めていましたので、勤務時間が30分延長され、従来は1時間300円のチーフ手当が支給されていたのに対して、チーフ手当月額1万5千円(従来は、月20日間勤務で、4万2千円)で、大幅な賃下げとなる等の理由で、契約社員への移行を拒否しました。これに対して、会社は、Aさんの勤務を週5日間から、週4日間に変更すると通告し、これを実施しました。  契約社員への応募は自由意志でパートタイマーを希望することも出来る筈でしたが、会社はAさんの勤務を週5日間から週4日間に変更すると通告し、これを実施しました。しかも、勤務日数の変更を明らかにしたのは、雇用契約終了日の前日です。労働条件が低下する契約社員を選択するか、勤務日の減少により収入がダウンするパートタイマーを選択するかの、到底納得の出来ない2つの選択肢から1つを選択しないかぎり有期雇用契約を解約するという、労働条件の不利益変更を強要するものが契約社員への移行提案であったのです。  会社は、残業代についても、未払いを発生させています。団交でユニオンが指摘したことは部分的に認めるのですが、その都度、指摘しない限り隠蔽しています。しかも、誰も知らない、5分間の移動時間、2時間の残業に対する15分の休憩時間を残業代の支払対象外としています。知らされていない休憩を取る人は、当然、存在しません。闘いの場は神奈川県労働委員会と、行動です。神労委の、第1回目調査は、1月15日(金)午前10時からです。

(神奈川シティユニオン 上泉歩)

映画「外泊」の女性労働者も参加
 大阪のレイバーフェスタ

 12月13日、エル大阪で開かれた大阪のレイバーフェスタは大入り満員、これまで最高の220人が参加した。レパートリーは、韓国の女性労働者の争議を描いた映画「外泊」を中心に、3分ビデオ、お芝居「弁当製造業の早上がり」、落語「レイバー寿限無」など、労働に関する文化のてんこもり。関西の3分ビデオの本数は17本と過去最高、解雇反対の座り込みを続ける「くびくびカフェ」や、失業組合員が踊る「ユニオンどじょうすくい」が好評だった。今年は「外泊」の主要登場人物の2人の女性を韓国から招いた。当時の副委員長の李京玉(イキョンオク)さんと現在の職場分会長の黄玉美(ファンオンミ)さんが力強く連帯のあいさつをした。

(小山帥人)

外国籍労働者相次ぐ勝利(ゼネラルユニオン)

●直接雇用勝ち取る
 ゼネラルユニオンは、派遣会社P社で組合員25名の「社会保険一斉確認請求」で会社を追い詰め、2年前からの社会保険遡及加入だけでなく、多くの要求を貫徹した。(本誌775号「労働争議での社会保険活用方法」既報)。
 だが派遣元会社には勝利したが、一部の仲間はクボタの専属工場である派遣先の大仙工作所(大阪・堺市)から「派遣切り」にあったままであった。
 ユニオンは「両社は偽装請負だ」と大阪労働局に申告し、派遣法違反が認定され、両社に是正勧告がなされた。違法派遣は永く、いまさら派遣や請負に戻ることは許されない。そこでユニオンは派遣先の大仙工作所に「まともな直接雇用」を要求したが、「従業員ではない」と団交を拒否してきた。ユニオン南米支部は、全港湾大阪支部のクボタ争議とも連帯し、日系組合員相互の同時争議と共同行動が広がっていった。
 そのようななか、ユニオンは大阪府労委に、12名の直接雇用を求める斡旋を申請、11月13日に待望の全面勝利和解が成立した。
「大仙は、直接雇用を希望する全組合員を12月より直接雇用する。有期契約は更新を前提とする。社会・雇用保険にも加入する」等の権利が認められた。
 失業給付も切れ、P社から獲得した解決金で生活を維持するなど苦労してきたが年末を控えた直接雇用開始で、ブラジル人労働者たちは、勝利を実感している。

●「英語講師使い捨て」に勝利
 甲府では外国人英語講師を派遣や偽装請負でなく、直接雇用しているマシな市教委がある。初任給も34万円で悪くはない。だが、一時金・退職金・諸手当はなく、何年働いても1年契約で昇給もなかった。  ところが今秋、突然5万円の賃下げが通告され、しかも遡ってカットするという滅茶苦茶な提案があった。理由は再来年からの小学校英語必須で外国人講師の増員が必要なため、今のうちに予算を圧縮しておきたいという外国人使い捨て差別の動機であった。  ゼネラルユニオンは間髪を入れず、5名で甲府支部を結成、教委に通告した。するとすぐに、遡りカットが撤回された。  さらに、ユニオン本部の委員長・山原が甲府に乗り込む前日には「今年度中はカットしない」と回答が修正された。そして、団交本番では「来年度も賃下げしない」となり、その夜は、勝利パーティーで盛り上がった。  以降も交渉が重ねられ、永く雇用不安のもとで働いてきた有期労働者にとっても、以下の画期的回答を勝ち取ることができた。 @委嘱状のみで永年更新してきた慣行を改善し、労基法の定める雇用契約書を締結。A事前同意なしに提案した賃金ダウンを撤回。B来年度も月額を保障。C契約が継続更新型であることを認め、毎年実施してきた面接と履歴書を廃止。D労働条件変更は、個別組合員にあたる等の不当労働行為を行わず、ユニオンとの事前協議に付す。

(ゼネラルユニオン委員長 山原克二)

緊急要請
「取材に応じた」ことを理由にした不当なアサイン停止=事実上の解雇撤回を求めて闘う塩田さんに支援の傍聴とカンパをお願いいたします!

 『週刊金曜日』の取材に応じたことをもって「アサイン(仕事の割り当て)停止」=事実上の解雇通告を受けた全国一般東京東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部塩田卓嗣委員長(経過は本誌765号に掲載)。5月、組合は東京都労働委員会(都労委)に不当労働行為の救済申し立てを行いました。
 12月11日、都労委の審問(証人尋問)の日程が決まりました。組合側からはもちろん塩田委員長本人、そして東部労組本部の菅野委員長、会社側からはアサイン停止の通告を行った張本人である田中和男東京支店長が証言を行います。
 みなさんの支援傍聴をお願いいたします。審問の日時・場所は次の通りです。
■日時 第1回:2010年2月23日(火)午後2時より
      (塩田・菅野主尋問、反対尋問)
      第2回: 同  3月19日(金)午後2時より
      (田中支店長主尋問、反対尋問)
■場所 東京都労働委員会審問室<東京都庁第一本庁舎南棟34階>
 また、塩田さんは雇用保険の条件付給付(仮給付)の給付を受けていましたが、それが終了してしまったため、現在、生活の見通しが不透明な状況です。都労委における会社の対応から見て、長期戦が予想されます。
 つきましては、塩田さんへの支援カンパをあわせて要請いたします。
●カンパ送り先●
●現金書留で全国一般東京東部労組「塩田カンパ」係(東京都葛飾区青戸3-33-3 野々村ビル1階)宛
●郵便振替(口座番号:00180−3−88328 加入者名「全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合」
 ※「通信欄」に「塩田カンパ」とご記入ください

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