たたかいの現場から
881号

「消費増税困る」名古屋集会に5,000人  価格転嫁問題は14春闘の焦点に

 幕末、三陸地方で起きた一揆では「小〇」と記されたのろし旗が掲げられた。平成の世に、再びその印を掲げた「消費税8%小〇(困る)怒りの1万人集会」が、2月2日、名古屋市内で開かれ、5千人(主催者発表)が集まった。


 集会では、「アベノミクスで輸出大企業と富裕層は得したが、私たちは苦しい。そのうえ増税では、営業も生活も破壊されます」(服部守延・愛知商工団体連合会副会長)など、中小企業や労働者らが口々に「困った」と訴えた。
 集会に参加した商工業者は、「輸出大企業の他、流通大手やゼネコンもひどい。消費税を価格転嫁できないので小零細企業が自分で被(かぶ)り、乏しい利益から絞り出している」と明かした。
 4月からの税率アップを前に、国は経産省を中心に600人体制で「転嫁妨害」に目を光らせるが、「立場の弱い業者が、国に言えるはずがない」(愛知県内の商工業者)との声もある。このままでは消費税が「中小企業税」になりかねない。


 2.2集会の主催団体の一つ、愛労連議長の榑松佐一さんは、「トヨタなど大企業が下請けに消費増税分の価格転嫁を認めなければ、中小企業の賃上げは難しい」と話す。連合も「価格転嫁ホットライン」(Tel 03−5295−0514)を開設し、中小企業やその従業員から相談を受け付けるなど、今春闘でも焦点の一つになっている。

 

北 健一(ジャーナリスト)

 

大阪「君が代」条例は憲法違反  不起立減給処分取消訴訟を提訴

 本年1月20日、「君が代」不起立減給処分取消訴訟を大阪地裁へ提訴しました。
 学校への「日の丸」「君が代」強制は、国旗国歌法以来、年々強まっていました。しかし、橋下維新政治が大阪に登壇するまでは、まだそこには論議の場がかろうじて残されていました。ところが、大阪維新の会は数の力にものを言わせ、2011年6月、教職員に「君が代」起立斉唱を義務づけた、いわゆる「君が代」条例を成立させ、翌12年4月には、公務員懲罰管理、教育の徹底的な競争原理を主軸とした教育4条例を成立させました。


 学校から「君が代」問題についての一切の議論の余地を奪い、条例(ルール)に従い起立斉唱せよと職務命令をくだし、同一職務命令に三度違反すれば免職と規定した職員基本条例により恫喝し、自己規制を強要したわけです。つまり、「君が代」強制について、面従腹背でクビにならない道を選ぶか、クビになり生活を失っても自らの思想・良心の自由を選ぶか、二者択一を迫ったも同然です。これほど教育と労働を愚弄する条例は未だかつてありません。


 私は、「君が代」不起立により、戒告、減給処分を受け、再任用も拒否されました。裁判では、減給処分取消を訴えるなかで、条例そのものの違憲判断を裁判所から引き出したいと考えています。

 提訴に先立ち開催された、「教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク」(Tネット)主催の集会には、100名近くの方に参加いただきました。
 橋下徹が政界から消え去る日が来ようと、彼の作った条例をそのままにしておけば、大阪の教育と公務労働者は縛られ続けます。どうか、本裁判へのご支援をよろしくお願いします。

 

辻谷 博子(大阪教育合同労働組合高校支部)

 

2.4 再稼働を許すな! 原発立地県報告集会

 昨年9月15日に関西電力大飯原発4号機の運転停止以後、日本での稼働原発は再びゼロになった。

 いま再稼働に向けて、新規制基準との適合性にかかわる申請が泊、柏崎刈羽、大飯、高浜、伊方、玄海、川内、島根、女川の9原発16基について出されており、夏までに再稼働の動きが出ている。

 昨年12月に示されたエネルギー基本計画案では、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、核燃料サイクル計画についても継続する、としている。


 2月4日、原水爆禁止国民会議の主催で「再稼働を許すな!原発立地県報告集会」が連合会館で開催され、地元平和フォーラム関係者から左記の報告を受けた。


【泊】活断層、地震動の影響、津波の高さ、海底活断層、火山活動などで詳細なデータが求められている。9〜10月に、再稼働反対の北海道集会予定。


【大飯、高浜、もんじゅ】規制委の更田委員は、高浜、大飯に関して夏までに審査終了・再稼働も可能と言明。もんじゅについては機器の点検計画確認作業中に「見直し完了」を報告し、問題に。


【伊方】昨年7月に審査開始、夏までに審査終了の可能性。中央構造線の断層評価が最大の問題。


【玄海】夏に審査完了の可能性。再稼働については古川・佐賀県知事は「国に丸投げ」の可能性。30キロ圏住民の中で、避難・防災をふくめた運動の拡大をはかる。2月16日に全九州規模の再稼働反対集会。


【川内】昨年秋以来、防災訓練監視、30キロ圏自治体申し入れ、12.15集会などを行ってきた。4月以後、国の説明会、自治体議会などへの大衆運動を強化。


【柏崎刈羽】東電は今年7月に再稼働ができなければ電力値上げと宣伝。泉田県知事は「福島事故の検証ができない限り、再稼働に応じられない」と、地震・津波問題を徹底論議する構え。4.12再稼働反対集会(東京)。


 なお、静岡から浜岡原発反対運動についての報告もあり、中部電力の供給県である愛知、三重、岐阜、長野の住民の間での取り組みを強めることが訴えられた。
 再稼働の一つの目安が6月だろう。ここに向けて全国的に運動を準備していくことが確認された。


国富建治(運営委員)

 

日日刻刻  地方公営の事業廃止つづく (1.9〜24)


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