955号
◎疑惑まみれの森友学園「小學院」 認可するなと大阪府に申し入れ
国会やマスコミでも大きく取り上げられるようになった、学校法人森友学園。国有地を大幅な値引きで取得したり、森友学園が経営する塚本幼稚園がヘイト文書を保護者に配付していたり、「安倍晋三記念小学校」として小学校建設の寄付を募っていたり、稲田朋美防
衛相が籠池泰典理事長に感謝状を贈呈していたり… まったく枚挙に暇がない。
この法人の背後には日本会議がある。菅野完氏が『日本会議の研究』で指摘しているように、安倍政権を支える日本会議のコアメンバー「生長の家原理主義運動」のイベントが、かつて塚本幼稚園で開催されていた。籠池氏は、日本会議・大阪の役員でもある。
塚本幼稚園の園児たちは、「教育勅語」を朗唱させられたり、運動会で「安倍首相がんば
れ!安保法制国会通過よかったです」と選手宣誓させられたりしている。
2月23日、豊中市民が中心となった「瑞穂の國小學・院」問題を考える会が、この小学校の設置認可について適正・厳正に審査・確認するよう、大阪府知事・大阪府教育長に申し入れをし、豊中市内で情宣活動を続けている。さらに、菅野氏や『日本会議とは何か』の著者、上杉聰氏を招いた学習会も企画。3月20日には、この会のメンバーで問題をいち早く追及していた木村真豊中市議会議員が、教育合同労組組合員の「君が代」処分を撤回させる会の総会で記念講演する。
私たちの組合員も参加している、子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会などが、大阪府内の労働組合も賛同団体に加えて、開校を許可しないよう大阪府教育長に求める要望書を2月27日に提出した。大阪教育合同労組としても、3月17日の春闘総行動の中で、ユニオンネット・全労協と共闘して、問題の解明・解決に取り組もうとしない大阪府・大阪府教育庁に抗議文を提出する予定である。
増田 俊道(大阪教育合同労組本部執行委員)
◎「非正規社員には職責なし」 郵政幹部社員の証言に怒り広がる
「19万4千人を超える非正規の仲間がいなければ郵政の現場は1日も回らない。会社側証人はその尊厳を踏みにじった。怒りを力に変え、会社を包囲する」
2月6日の労契法20条東日本訴訟(郵政)の証人尋問で、日本郵便幹部社員(都内の局の集配部長)が「正社員は職責があるが、時給制契約社員にはない」と言い放った。日本郵政の子会社が、現場実態を偽ることで「同一労働同一賃金」に背を向けた形で、郵政職場に怒りが広がっている。
冒頭の言葉は、3月6日に行われた、非正規雇用労働者の正社員化と均等待遇を求める本社前要請行動での郵政ユニオン・日巻直映委員長の発言だ。この行動では、非正規で働く労働者らもマイクを握り、「仕事も責任も変わらないのに労働条件が違いすぎる」「好きで非正規を選んだ人はいない」「突然のスキル評価ダウンは許せない」などと切実な声をあげた。
全労協の金澤壽議長は連帯あいさつで、「大株主の国は、日本郵政に賃上げを迫るべき」と話した。
北 健一(team rodojoho)
《追 悼》 岩崎 松男さん (元国労闘争団、労働情報事務局)
岩崎さんががんで闘病生活に入ると聞いたのはつい先ごろのことでした。それなのに突然の訃報を受け、事態の急転に驚きました。
今年は、国鉄分割民営化が強行され30年という節目であるとともに、「労働情報」創刊40年を迎えます。岩崎さんもご招待者のおひとりであったのは言うまでもありません。
岩崎さんは、国労闘争団の一員として九州・姶良闘争団から在京オルグとして長らく単身生活の上、活動してこられました。闘争の合間に飯田橋の闘争団事務所と労働情報事務所は近所ということもあり、校正や取材・偏集を被解雇者であるにもかかわらず協力いただきました。
そして25年にわたる争議が解決し、本来なら九州へ帰られるところを、浅井編集長に見初められ、専従スタッフとして「女の園」での仕事が始まったのです。闘争団とは勝手が違い、ミニストライキを決行したこともあったようですが、労働情報の運営が厳しい時期で、なくてはならない存在であり、期間限定との当初の約束を延長してまで引きとめてしまいました。
九州に戻っても、定期発行の校正作業の他、闘いの現場からレポートなど送っていただいていました。川内原発廃炉の闘いをはじめ地域から運動を進めるとともに、九州の地で新たな生活空間を広げている最中だったと思います。
鹿児島に遊びにきてねと言われながらも約束を果たせませんでした。
この4月には新「労働情報」が始まることをご報告し、ご冥福をお祈りします。
小泉 尚之(事務局次長)
◎日日刻刻 経団連100時間残業「妥当」 (2.17〜24)
2月17日(金)
■文部科学省の「2017年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(2016年12月末現在)」によると、就職内定率は90.9%(前年同期比0.9ポイント増)。
■総務省の「労働力調査(詳細集計)2016年平均(速報)」結果によると、2016年平均の完全失業者は208万人(前年比14万人減少)。うち失業期間が「1年以上」の者は、76万人(同1万人減)。
■総務省の「労働力調査(詳細集計)2016年10〜12月期平均)」によると、役員を除く雇用者5,414万人のうち、正規の職員・従業員は3,371万人(前年同期比64万人増)、非正規は2,042万人(27万人増)。
■総務省の「2016年平均速報」結果によると、二人以上世帯の1世帯当たりの1カ月平均消費支出は28万2,188円(同実質1!7%減)。
■アルバイト求人情報サービス「an」調べによると、2017年1月の結果は、全国平均時給1,005円(前月1,012円、前年同月988円)。「関東エリア」1,059円、「関西エリア」1,013円、「東海エリア」972円、「九州エリア」894円、「北海道エリア」868円。
20日(月)
■総務省によると16年9月1日現在の総人口(確定値)は1億2,690万3,000人(前
年同月比16万2,000人〈0.13%〉減)。うち日本人人口は1億2,504万5,000人。
■経団連の榊原定征会長は記者会見で、「働き方改革」などについて発言。「(残業時間の上限規制については)労災認定基準である月100時間は妥当な水準であり、……具体的な基準の議論はこれからだが、月100時間は一つの判断基準となる」とし、また「インターバル規制には、経済界は反対を主張している」などと述べた。
22日(水)
■厚生労働省の2016年「賃金構造基本統計調査」の結果によると、一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の月額賃金は、男性33万5200円(同o.o%)、女性24万4,600円(同1.1%増)。男女間賃金格差(男性=100)は73.0。24日(金)
■「週刊金曜日」掲載の対談の中で、神津里季生連合会長は、「『安倍一強』政治の中で野党が力を合わせるのは当然で、今後、選挙で『自民党一強』を許さず、どうやって変えていくかが大事です」と述べた。