975号
高プロ > 労政審での審議開始に緊急抗議行動
6月29日に強行採決で可決された労働法制一括改正法案。とりわけ労働時間規制をなくす、残業代ゼロ法と言われた高度プロフェッショナル制度の細部を決めるための労働政策審議会が10月15日16時から厚労省で始まった。
この間一貫して高プロ制度に反対し運動を続けてきた雇用共同アクションでは15日夕方6時から厚労省前で「欠陥制度に省令指針で手当てできるのか!高プロ反対緊急アクション」と抗議行動を行った。
発言者からは制度そのものの撤回、労働組合がしっかり闘って各職場に制度を持ち込ませない事の重要性、審議会での労働者側委員の頑張りを求める声があがった。
今後も労政審に合わせた抗議行動、各組合からの要請手紙などを含め様々な取り組みを行っていくことが提起された。
瀧 秀樹(全石油昭和シェル労組)
コミュニティユニオン > 連帯の輪さらに大きく〈東北いわて集会〉開催
10月6、7日、盛岡市つなぎ温泉で開催した。北海道から鹿児島までの80を超える団体290名が集い、全体集会での特別闘争報告、夜の交流レセプション、全体集会とレセプションの間の時間に行った闘争報告会、そして11の分科会を通じて、密度の濃い多彩な交流の場となった。
今集会は、1989年10月、青森県弘前市で第1回集会が開催されてから30回目。この節目の集会を盛岡、平和環境岩手県センター、連合岩手をはじめユニオン東北ネットのなかまの尽力により、東北岩手の地で開催することができたことはなによりも喜ばしい。
全体集会では、岩手県教組より東日本大震災被災地報告として「教育環境復興の現状」を、また労働政策研究・研修機構の呉学殊さんより「ユニオンに期待すること」をテーマに講演をいただいた。これからの10年、20年を考えた戦略の必要性までふれていただいた。
また、岩手県知事、盛岡市長、連合本部、自治労本部、参議院議員福島みずほさんからも歓迎、連帯のあいさつをいただけた。
特徴的だったことのひとつは、労働法制改悪阻止!全国キャラバンの成果を確認するとともに、裁量労働制の対象拡大、解雇の金銭解決制度の導入を許さない闘いをもっと連帯の輪を広げながら創っていくことを確認したこと。
各ユニオンが各職場、地域で、高プロ導入を許さない、労働時間の適正把握と36協定のチェック、過労死認定基準の36協定を締結させない、勤務間インターバル要求に取り組むとともに、2019年3月6日に、36協定をテーマとする全国一斉ホットラインを実施することも確認した。
今後の闘いについて、日本労働弁護団・棗一郎幹事長が飛び入り参加していただき、安倍政権による憲法改悪・労働法制改悪を阻止する共同行動の提案も受けた。
二点目は、最低賃金時給1500円をめざすことを確認したこと。この10月も最賃全国アクションをよびかけているが、19春闘期にもユニオン非正規春闘として最賃今すぐ1000円、そして時給1500円をめざしての運動に取り組む。
三点目は、毎年開催しているユニオンセミナーを、「トラブルメーカーになろう」をテーマにワークショップ形式で来年も行い、次代を担うメンバーづくりをネットとして進める。
四点目は、今期から、「サボーター」の協力も広くよびかけることとした。コミュニティ・ユニオンネットワークの運動の広がりと財政強化につなげる。
来年の第31回集会は、10月5、6日、兵庫県姫路市で開催する。
全国交流集会30周年。全国ネットも30年目を迎える。厳しい情勢に抗して、みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために。あらゆる働き方に権利を!生活できる賃金と均等待遇を!ユニオンの30年を振り返り新たな一歩となる盛岡集会だった。
岡本 哲文(下町ユニオン・コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク事務局長)
教育合同 > 大阪観光大の組合つぶし 府労委が謝罪命令
大阪観光大学教職員組合は、学校法人明浄学院の設置する大阪観光大学(赤木攻学長、泉南郡熊取町)の教職員で組織された組合だ。
学校法人は支払資金枯渇を理由に2014年春に突然かつ大幅な賃金カットを強行し、学校経営の混乱が始まった。
その後、理事会構成は2度も大きく入れ替わり、理事長は4回交代した。特に16年4月に現在の理事会体制の理事長として登場した明野欣市氏が17年6月に突如辞任すると、副理事長であった大橋美枝子理事が理事長に就任した。現理事会は、最低限の説明責任さえも果たさず、組合つぶしに執心した。
大阪観光大学教職員組合は、14年10月から教育合同の支部となり、15年10月および17年3月に、本部の教育合同と連名で不当労働行為救済を申し立てた。
15年事件の審査は17年12月に、17年事件の審査は18年1月に終結。18年10月9日付で、大阪府労働委員会は、両事件について、ともに学校法人明浄学院の不当労働行為を認定した。
15年事件命令書は、法人の対応が不誠実団交に当たると判断を示し、両組合に宛てて「今後、このような行為を繰り返さないようにいたします」という謝罪誓約書を手交するように学校法人へ命令を下した。
また17年事件については団交拒否の事実を確認して、団交応諾とともに謝罪誓約書の手交を命じた。
この間に、組合員をふくめて多くの教職員が大学を去った。また同法人の経営する明浄学院高校(大阪市天王寺区)は伝統ある女子校だが、教職員への退職強要や校地売却などをめぐる混乱については、昨年秋以降、複数の新聞報道やテレビニュースがあった。
今回、府労委という公的機関によって不当労働行為が認められた意義は小さくないと考える。学校法人がこの府労委命令を真摯に受けとめて法令遵守することを求めたい。
廣岡 浄進(大阪観光大教職員組合委員長)
反差別 > カウンターに包囲された全国14ヵ所のヘイト行動
10月9日、Facebookの友人からとんでもない情報が拡散された。日本第一党とかいう団体が14日を「反移民デー」と称して全国14か所でキャンペーンを行うというのだ。友人たちと連絡を取り合い、不十分ながら対応を決めた。
当日静岡駅近くにスーツ姿で登場した第一党員らしき人間は4人。さらに日の丸等を掲げた右翼は3人。カウンターに集まったのは40人ほど、そして双方を分けるために動員された警察官が20人といったところ。
桜井誠の在特会のヘイトスピーチが法規制によってできなくなる中、日本第一党なる「政党の街頭演説」を装ってのヘイトスピーチへの抗議行動は緊急だったこともあり、経験のない静岡では組織的な形ではなく、カウンター行動には普段の運動では見かけない若者がたくさん参加し、「しばき隊っぽい」人も数人いた。
他の地域と同じように静岡のヘイトスピーチは抗議の声に包囲された。しかしもっと大きな問題は、薄く広く、ヘイトの声が社会に浸透しつつあることだろう。
望月 吉春(全国一般・焼津地域労組)
日朝正常化 > キャンドルが照らす東アジアの平和
2018年に入り、朝鮮半島情勢が歴史的な大転換を迎えている。
4月「南北首脳会談-板門店宣言」、6月「米朝首脳会談ーシンガポール声明」は世界中に大きな感動と平和への希望を与えた。
一方、日本では安倍政権が朝鮮半島の危機を煽り、9条改憲・戦争をする国づくりを進めている。今、日本に求められていることは何か!
大阪において、1500人の結集で「朝鮮戦争休戦65周年東アジアに平和を!7・27キャンドル行動」に取り組んだ成果を受け、日朝ピョンヤン宣言から16年、戦争法が強行採決されてから3年を迎える中、9月18日午後6時30分からエルシアターで「口朝国交、止常
化と東アジアの平和を!9・18キャンドル集会が開催され、600人を超える参加があった。主催は日朝日韓連帯大阪連絡会議(ヨンデネット大阪)、戦争あかん!ロックアクション、大阪平和人権センター、戦争させない1000人委員会で、大阪総がかり行動実行委員会が協賛した。
主催者を代表して米田平和人権センター理事長が挨拶。その後、9月30日投開票の沖縄県知事選挙を闘っている玉城デニーさんからのビデオメッセージを鑑賞し、予備的学習として服部良一さん(ロックアクション)が、朝鮮戦争と南北分断の歴史、9・17ピョンヤン宣言、4・27板門店宣言、6・12シンガポール宣言などについて、パワーポイントを使って説明した。
講演は浅井基文さん(元外務省職員、2011年まで広島市立大学広島平和研究所所長)と纐纈厚さん(山口大学名誉教授)のお二人。
浅井さんは「安倍政権の対朝鮮政策と日朝国交正常化の課題」をテーマに、安倍外交の本質的誤りを指摘し、日本政府が今こそ南北の和解に資する朝鮮半島政策を展開すべきであること、私たち自身の人権感覚を見つめなおすことの重要性を語られた。
また、纐纈さんは「朝鮮半島問題と日本の植民地支配」をテーマに、明治以降の朝鮮半島政策~植民地支配が朝鮮半島分断の根底に存在していること、朝鮮半島の非核平和の実現は、東アジアの政治秩序の地殻変動に結びついていく、そうなれば日韓米の三角安保体制そのものの見直しが必然となっていくことを熱く話された。
集会決議採択後、参加者に事前配布されたキャンドル(韓国キャンドル市民革命で使われたもの)の灯がウェーブとなる中、歌手の川口真由美さんの熱唱に会場は盛り上がりフィナーレを迎えた。
集会には、朝鮮総連大阪府本部、朝鮮学校オモニ会、良心囚同友会らの在日団体や、立憲民主党、共産党、自由党、社民党、新社会党などの政党代表も参加された。
朝鮮戦争を終結し平和協定へ!憲法9条改憲を許すな!在日コリアンが多く居住する大阪の地で、大きな陣形を構築するための役割を引き続き果たしていきたい。
林 真樹(ヨンデネット大阪共同世話人)
#パワハラ禁止法作ろう オンライン署名呼びかけ
近年、労働相談でもっとも多いのは、パワーハラスメントと言われています。
新聞やテレビでは、毎日のようにあらゆる業界でのパワハラが報じられ、今年はさらにセクシャルハラスメントについても被害の深刻さから国内外で運動が広がりました。
これだけ横行しているにもかかわらず、ハラスメントを禁止したり企業に防止措置を義務付ける国内法はありません。
ILO国際労働機関に加盟する80力国中60力国は「職場の暴力やハラスメント」について規制を行っています。
「人権劣国」とも椰楡される日本にも、一刻も早くハラスメントを禁止する法律を制定するよう、日本労働弁護団が実施するオンライン署名にぜひ協力してください。
パワハラを禁止する法律を作ってください! (change.org)
(編集部)