たたかいの現場から
800号

日本の民主主義を問う闘い
  多くが最高裁に舞台を移す「日の丸・君が代」裁判

 「日の丸・君が代」強制による都教委の「10・23通達」が発出された2003年以来、被処分者の累計は430人にも達している。東京都だけで訴訟件数は20件を越えている。全国的にも約30の訴訟が係争されている。「『日の丸・君が代』強制反対」の闘いとその訴訟は、いま日本の民主主義を問う闘いとして大きクローズアップされてきているのである。
 これら「日の丸・君が代」を巡る訴訟は、現在、控訴審から上告審に舞台を移そうとしている。来春には10件を超える訴訟が最高裁で審理されることになる。
 こうした新しい状況を迎え、訴訟団を中心にした運動は、学者・著名人などによる共同アピールの運動に取り組んでいる。既に500人を超える賛同を得ており、最高裁に提出していく事となる。また、去る8月20日には「日の丸・君が代」訴訟団の全国集会を開催した。全国的な運動の連帯と盛り上がりを作り出す事が不可欠であり、そのとり組みが始まったのである。
 ところが、9月14日の民主党大会では、会場の壇上正面に「日の丸」が張り出されていた。日教組などの労働組合が支持母体になっているはずの民主党のこの変貌ぶりは、大きな失望であった。日教組出身のいわゆる「日政連」議員が多数参加している民主党が、歴史的な教員弾圧の手段となった「日の丸・君が代」を掲げる状況は、新政権にいくらかの希望を持っていただけに失望感が大きい。民主党と日政連対策を強化する事も重要な課題となってきた。

 ……永井栄俊(「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会共同代表)

郵政民営・分社化を葬り去ろう!
新自由主義的構造改革=小泉「改革」の象徴

 郵政3事業(郵便、郵貯、簡保)の民営化は、新自由主義的グローバリズムの流れの中で、郵貯・簡保資金を食い物にしようとするアメリカの要求をテコに、「構造改革」の象徴として政治的に利用されてきた。郵政民営・分社化が強行されてのこの3年は、多くの地方から「サービスの後退」「利便性の低下」の指摘があり、さらに「かんぽの宿」「宅配便事業統合」などをはじめ、経営者による事業の信用失墜と大混乱をもたらした。
 政権交代により民営化見直しの動きは現実化してきたが、昨年12月「郵政株式処分凍結法案」が成立しただけで、4月末「郵政改革関連法案」(政府案)を提出したが国会の閉会とともに廃案となってしまった。民主党代表選を経て組閣された菅改造内閣は、構造改革的色彩をより強めているが、政府案の早期成立を図ることを国民新党と合意(社民党も)している。一方、「みんなの党」は、郵政民営化促進法案を提出する構えも見せており秋の国会は郵政民営・分社化の見直しか郵政民営化の促進かはげしい対立が避けられない情勢となっている。

 郵政ユニオンは、「株式会社=民営化」だから全てダメということではなく、(1)金融・通信のユニバーサルサービスの回復・維持、(2)経営形態として新たな公的事業体、(3)労働環境の整備(正社員化、均等待遇、労働条件改善)の3点を柱に具体的かつ現実的な改善と修正をめざし、粘り強く取り組んできた。そして、この厳しい国会情勢の中で、政府案を否決させず今国会で可決・成立させることが必要だと判断する。
 この郵政改革の柱の一つである「労働環境の整備」は、「正社員登用」として大きく動き出している。8月7日・8日の両日、全国で一次試験が実施され、約3万4千名の短時間社員、期間雇用社員らの非正規雇用社員が受験した。郵政ユニオンは、受験資格の拡大と希望者全員の採用を求め、何よりも公正・公平な採用を要求してきた。一方、連合JP労組の一部は、「亀井大臣の『10万人正社員化』発言は、経営感覚のないもの」と労務屋的批判や、「JP労組推薦状」なるものを掲示するなど醜態を演じている。
 この一次試験の合否通知が9月15日から全国の支店・局所で行われている。試験の合否は、職場支店・局所によって大きな開きがあり、現時点で全国平均合格率を軽々に出すことはできないが、私たちの中間的な集約では、良くて平均4割弱ぐらいの合格率であると推測される。この合格者は9月中に2次試験(面接)を受け、11月上旬頃までに最終合否通知が出され、12月1日採用(登用)となる。しかし、会社は未だに採用予定人数を示していない。昨年の登用2千名に毛の生えた3・4千名の採用では許されない。この正社員化問題は、「10万人正社員化」が示すように原則正社員とする闘い、正社員が当たり前の社会を取り戻す闘いである。
 郵政ユニオンは、民営化見直しの国会闘争と処遇改善・正社員化を求める団交、そして非正規社員へのフォローを一体として闘いを進めていく。

……須藤和広(郵政労働者ユニオン書記長)

羽田空港の拡張がもたらすもの
羽田空港見学バスツアー参加者募集中

……成田プロジェクト&成田バスツアーの会

 10月21日、羽田空港D滑走路が供用を開始されます。国際線ターミナルも営業を開始します。いままでは成田空港が国際線、羽田空港が国内線と使い分けをすることになっていました。ところが、先ず国際線チャーター機が羽田空港から飛び立ち、東アジア便に枠が拡がり、10月からはついに区別はなくなります。
 羽田空港は人口密集地にあります。D滑走路は船の航路を狭め、多摩川河口の流れを変えてしまうそうです。騒音、飛行危険、漁業被害、大気汚染、深夜便の増加など、心配なことばかりです。
 そんな空港、滑走路の拡張は必要なことでしょうか?私たちは成田空港のことを中心に考えてきましたが、羽田空港の歴史や今の問題点を地元のメンバーに聞きたいと、空港セミナーの一つとして計画しました。続いて、羽田空港見学バスツアーも行います。どうぞご参加下さい。

●羽田バスツアー事前学習会
日時:10月17日(日)午後2時
会場:文京シビックセンター4階会議室A(地下鉄後楽園・春日駅下車)
参加費:500円/講師:大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)

●羽田空港見学バスツアー
日時:11月3日(休日・水)
   午前10時30分集合(東京駅丸ノ内・工事中の中央郵便局横)→羽田空港へ
コース:D滑走路展望台→新国際線ターミナル→京浜島公園〈騒音体験〉
案内人:羽田空港を監視する会の皆さん
参加費:3千円
昼食弁当各自持参
当日の連絡先:中里英章080―5375―7530

■11・3 羽田空港見学バスツアー申込書
  (以下の項目を記入のうえ、faxを送ってください)
 fax:03−3818−9312
 Email:narita-pj@pen.co.jp
 お名前/年齢/住所/〒/電話番号/メールアドレス

●主催:成田プロジェクト&成田バスツアーの会
 tel:03−3818−1835 fax:03−3818−9312 成田プロジェクト・ブログ

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