たたかいの現場から
780号

パナソニック裁判1周年集会
派遣切りは許さない!佐藤昌子さんを職場へ!

 11月15日郡山市で佐藤昌子さんのパナソニック裁判提訴1周年集会が開かれ150人が参加した。関ジョニーさんの「パナソニック裁判の歌」の演奏、県教組女性部大山さんの司会で開会。支援する会の宗形代表が「米国発の規制緩和、民営化路線が労働者の惨状をもたらした。佐藤さんの決起から1年、予想を上回る支援の広がりに感謝。勝利を手繰り寄せたい」とあいさつ。  鈴木宏一弁護士が裁判の現状を報告し、宮城合同労組星野委員長が経過を報告。3月大阪本社行動、6、7月東京行動、昨年末と今秋の派遣法抜本改正日比谷集会や本人のメディアへの登場、大衆的裁判傍聴行動の積み重ねが大企業パナソニックを追い詰め、専門26業種規定などで困難を強いられてきた派遣争議において新たな地平が切り開かれてきたと述べた。
 社民党古川県議、共産党神山県議、郡山の未来をつくる会蛇石市議が立ち連帯あいさつに立ち力強く激励。全自交吾妻分会阿部委員長、松下プラズマディスプレイ裁判原告吉岡さん、全国一般遠藤書記長の発言が続いた。
 講演の宇都宮健児さんは、多重債務問題解決に取り組み、貸金業界や米国政府の抵抗をはねのけ、2006年末にグレーゾーン金利撤廃の歴史的勝利を収めた自身の闘いを紹介。昨年12・4集会以降、身近になった反貧困運動と労働運動が取り組んだ「年越し派遣村」が、@貧困が日本中に広がっていること、A人間を物、調整弁として扱う派遣法の残酷さ、B社会保障の貧弱さを浮き彫りにしたと同時にボランティア1千700人参加に示されるように、人の心の温かさや連帯の大きな力を感じさせたと述べた。現況は悪化しており、炊き出しの列は昨年の2倍、「もやい」への生活相談は2〜3倍になった。湯浅誠さんが「国家戦略室参与」となり貧困問題解決を政府に提言している。取り込まれることなく運動に寄与していくと当面の課題を提起。貧困者が孤立している状態の克服を強調。最後に、非正規労働運動の大きな役割を指摘し、『非正規労働者の権利実現全国会議』の紹介し参加を呼びかけた。
 支援カンパ要請のあと、原告の佐藤昌子さんが感謝の言葉とともに「働くことで自己実現がはかられ、自分が他の人を支えられる。ディーセントワークの実現に向かって闘っていきます」と改めて決意を表明。国労仙台闘争団佐藤正則さんが閉会を宣言し、宗形代表の音頭で団結がんばろうを三唱して集会は幕を閉じた。会場カンパは約10万円。前日の14日、石川地方憲法を守る会の主催で開かれた佐藤昌子さん講演会でも2万円を超えるカンパとお米などが寄せられた。佐藤さんの解雇撤回・原職復帰を求める闘いを支援する輪と「派遣労働」をなくす闘いは着実に前進している。

(支援する会世話人 中路良一)

光輪モータース闘争
石上さん襲撃事件を忘れない11・10集会

 2000年11月11日に4人組の男に自宅前で拉致され、手足を折られた「石上さん襲撃事件」から丸9年が経ちました。労働争議を嫌った若林社長が指図したのは明らかです。事件直後から、「私たち労働組合は剥き出しの暴力に屈しない」と石上さんとともに団結を堅めて闘いました。何よりも被害にあった石上さんは家族と一緒に事件に向き合い、半年後には職場に復帰して闘争の最前線に再び帰ってきました。刑事事件としては2年前にすでに時効を迎えました。  しかし、重傷を負った石上さんにも私たち労働組合にとっても時効はありません。事件を風化させない、そして今も闘争の最前線に立ち続け、組合員で立ち上げた新会社「ビッグビート」では社長として奔走している石上さん。  彼と彼を支えた全国の多くの仲間が示したものを全労協藤崎議長は「労働組合の団結とこれから」と題して記念講演で語ってくれました。準備の不手際で藤崎議長にはご迷惑をおかけしてしまいましたが、会場に結集した全員があらためて闘いの意義を再確認しました。当日は、当時を知らない新しい組合員も多数参加しており暴力に負けない、屈しない労働組合の底力を感じたことでしょう。刑事時効を迎えても、労働組合だからこそ出来る役割としてこの日を「メモリアルデー」に掲げて毎年確認していきたいと全統一鳥井書記長が提起しました。  闘争は会社が倒産した今も続いています。雇用保障を求める建物防衛闘争、都労委での闘い、そして自主生産での事業活動。その最前線にいるのが石上さんであり、また彼が立ち続けることが出来ているのは、会場に来られなかった人を含めたたくさんの仲間がいるからです。9年前の事件が育んだ大きな団結は今も粘り強く、確かに息づいています。12月1日には第5回債権者集会が予定され、若林社長も出席します。倒産責任、襲撃事件の責任を追及するとともに争議の全面解決を勝ち取るためにこれからも闘います。そして光輪モータース闘争の勝利こそが皆さんにとっても襲撃事件を忘れない「核」となるでしょう。

(全統一労働組合光輪モータース分会・本誌編集委員 朝岡泰志)

第8回レイバーフェスタ
3分ビデオ・川柳・音楽の公募団結まつりでRJ全記録のDVDデモ

◎3分ビデオ
 仕事のこと、生活のこと、社会のこと、言いたいことを3分の作品にまとめて発表するコーナー。一次締切11月30日、最終締切12月8日です。

◎ワーキングプア川柳
お題は、「つくる」「変える」「楽しむ」、それに自由吟で、各2句の計8句まで応募OK。お題はイメージですので、句に含まれなくても結構です。締切12月12日。ホームページからも投稿可能です。

◎レイバーソング
  5分以内の作品音源(替え歌、オリジナルどちらでも)を募集。フェスタ会場で約10のグループ・個人の作品を一挙紹介。 締切12月8日。

■映画「Weabak:外泊」
 07年、韓国の大型スーパーの女性労働者たち500名が非正規労働者の一方的解雇通告に対し510日間に及ぶ売場占拠を行った。この「泊まり込み闘争」の「外泊」というテーマをジェンダーの視点から描く。キムミレ監督・73分。

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