893+4号
郵政ユニオン役員の配転 広島地裁が賠償を命令
2014年7月10日、広島地方裁判所は、組合側が求めていた「淀谷書記長損害賠償請求」に対して、次のとおり判決を言い渡しました。
主文(概要)
1 被告は、原告地本に対し55万円、原告支部に対し110万円、原告淀谷に対し165万円、また、それぞれ、これに対する平成21年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 この判決は、原告地本・原告淀谷に限り、仮に執行することができる。
判決文が読み上げられた瞬間、傍聴に駆けつけた25名を超える地域共闘の仲間をはじめ中国地本傘下の組合員は、勝利に歓喜しました。
2009年4月1日、淀谷書記長が強制配転されて以降、県労委・裁判と連続した闘いを実に5年3ヵ月継続して奮闘してきましたが、この判決で会社に対し、まともな当たり前の労働組合活動を継続する郵政産業労働者ユニオンとりわけ中国地本・安芸府中支部・淀谷本人に行ってきた不当労働行為の責任を、明確に突きつけたと言えます。
そして2006年4月1日に当時の松田支部長が強制配転させられてから8年3ヵ月という長い闘いに我々は完全勝利したのです。
5社にも及ぶ記者会見席上、組合側弁護士は以下のとおり今回の判決を評価できると言明しました。
「資本・財界主導の政治体制になっている。労働法制しかりで、まともに労組が対応していない中、郵政ユニオンは闘うだけでなく、非正規の人達の労働条件も含め闘ってきた。だから、松田(支部長)、淀谷(書記長)を配転したのである。それは紛れもない不当労働行為と認定され救済された。後は損害を如何に判断するかであった。両名を引き続き配転させた事は、会社にとって、組合員を委縮させる効果があった。不当労働行為のやり方が卑劣であり組合の被害が大きかったことが、社会的に認められた。裁判所も毅然と対応した」と。
私たちは少数組合ですが、この長い間の裁判闘争で不当な事は、必ず不当と認定される。そして、闘うときは最後まで闘い続けなければ勝利は得られないということを学びました。
この勝利判決を、全国で闘っておられる仲間の皆さんに、エールとして送ります。
来年の株式上場をめざす日本郵政グループのブラック化を内外で暴露しよう!
郵政部内で20件を上回る全争議に勝利し、JAL解雇撤回裁判、メトロコマース裁判などの全国争議と連帯し闘おう!
2014年7月27日
郵政産業労働者ユニオン安芸府中支部
命令ないのに「命令違反」 大阪府教委がデタラメ処分
中原大阪府教育長は自ら発出した、起立のみならず斉唱の確認・報告を求める(「口元チェック」)通知への批判と抗議(約8千の撤回署名等)の中で、今年の卒業式後の教育委員会(3月25日)で事実上撤回を決定。また4月3日の校長会でも、(「君が代」起立・斉唱について)教職員への指示や「確認の方法」は校長の「責任と裁量」(「マネジメント」)で行うようにと指示しました。
そこで井前さんの府立高校の校長は入学式では「起立斉唱をお願いする」と言うに留めたのです。ところが井前さんの不起立が報告されると、通知撤回の責任を頬被りしようとしていた中原教育長は、その一方で処分の強行をはかったのです。
そこで校長の「お願い」を「職務命令」とねじ曲げたうえで、井前さんが「職務命令」との認識をもっていたとの確認をさせるための「事情聴取」を行おうとしました。
これに対して井前さんは、事情聴取は処分対象の職員側の意見表明の権利だとして弁護士の立ち会いを要求。これでは自らに都合のよい事情聴取はできないと、府教委は理由も示さずこれを拒否、2度の「事情聴取への職務命令違反」としたのです。
抗議行動の中でこれを処分理由には含めませんでしたが、6月17日には井前さんへの不起立戒告処分が強行されました。
校長による「起立・斉唱」の職務命令文書が発出されていなかったことは、府教委による校長への「職務を懈怠(かいたい)」との訓戒処分の理由書でも自ら認めています。
処分の根拠になる大阪府職員基本条例では、職務命令(「文書によるものに限る」)違反への処分は戒告、と規定されています。
つまりどのように校長発言をねじ曲げても、文書がない限り、この条例での処分の対象とはできないのです。
山田 光一(「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット事務局長)
再稼働ヤメロ 川内現地の声
7月16日に原子力規制委から「お墨付き」を取得した鹿児島県と九電は、川内原発の10月再稼働に向けて準備を進めている。しかし、説明会を通じて明らかになったずさんな避難計画や、ヨウ素剤の個別配布などによって、これまで他人事だった放射能事故・汚染問題が、原発周辺の住民たちに、より身近な問題としてイメージされるようになってきた。
その反応を確認できたのが、県内8市を10日間かけて展開された、原発いらない福島の女たちによる「『辻説法』キャラバン」だった。
前半の7月18日から5日間を木幡ますみさんが、そして7月28日から後半5日間は黒田節子さんがマイクを握り、市役所や量販店前、あるいは団地などで福島の悲惨な実態を語り、「二度と福島のような悲劇を繰り返さないで」と訴えた。
炎天下にも関わらず、外に出て来たり、窓を開けてじっと耳を傾ける人。水や弁当を差し入れする人。胸にたまった不安や不満をはき出す人ありと、再稼働に危機感を抱き、何とか止めたいと願う人々が、大多数いることを実感したキャラバンだった。
溝口 松男(反原発かごしまネット/本誌運営委員)
日日刻刻 消費者物価3.3%上昇 (7.7〜25)