40年労使紛争の解決求め、全石油昭和シェル労組が第一次連続スト
71年の組合介入、72年の第一次分裂攻撃以来40年にならんとする昭和シェルの労使紛争の全面的解決及び女性差別をめぐる事件の解決を求め、昭和シェル労組は10月18日より1週間の連続ストライキでの社前座り込み闘争に入った。昼休みを挟んでの2時間、昭和シェル本社前で座り込みを続けながら通行人や社員に昭和シェル石油の労務政策のひどさを訴えている。
70年、それまでの御用組合的体質から脱却、全石油に加盟し春闘をストライキで闘う組合へと脱皮した組合に対し、シェル石油は組合丸抱えを画策した。しかしそれが発覚すると組合分裂をしかけ72年、現業部門を中心に第一次分裂、74年には事務部門を中心に第二次分裂を仕掛け、二つの組合は76年合体した。
74年に人事担当に就任した故・大北人事担当取締役は、「5年で組合を潰す」と豪語し様々な組合攻撃をかけてきた。脱退工作、労働組合活動に対するし烈な暴力による弾圧、組合役員の不当配転による分断、賃金・昇格での差別、職場での村八分。解雇以外のあらゆる不当労働行為を行ってきた。
「最高裁で確定するまでは不当労働行為ではない」「会社の主張が認められれば和解できる」「不当労働行為がなかったという前提なら和解交渉に応じる」「(労働委員会の救済命令に対して会社会長は)あれは浮世離れした先生方の考え方だ」などと昭和シェルは法令遵守どころか、労働法や労基法は法律として認めないと言わんばかりの対応を繰り返してきた。
しかし今年5月、東京高裁は大阪一次事件(賃金昇格差別事件)で中労委命令を取り消した地裁判決を取り消す逆転勝利判決を出した。この判決で会社はもはや裁判で勝つ見込みはなくなった。
組合はこれを梃子にこの秋から会社に紛争の全面解決を求める闘いに立ちあがった。その第一段が今回の一週間連続ストでの座り込み抗議行動だ。今後、第二段、第三段と波状的に展開し、東京総行動や東部総行動での闘い、株主であるシェル本体への要請、監督官庁への要請などを計画している。
今、組合は命令待ちの都労委(川島前中央執行委員長、再雇用拒否事件)と中労委(大阪二次事件、都労委事件。いずれも賃金昇格差別事件)あての団体署名と個人署名に取り組んでいる。この署名へのご協力をお願いするとともに、全国の皆さんのご支援をよろしくお願いします。
……瀧秀樹(全石油昭和シェル労組委員長)
10・13成田空港30万回発着合意糾弾!新自由主義的航空政策にNOを!
成田空港推進のための四者協議会(成田空港周辺9市町、千葉県、国土交通省、成田国際空港会社)は、10月13日、国交省成長戦略会議航空分野路線に基づいて空港の年間発着枠30万回の拡大に合意した。アリバイ的に各地区説明会が開かれていたが、空港周辺の多くの住民は、航空機轟音・排気ガスのまき散らしによる環境・生活破壊が必至であるため反対、不安、危機感を表明していたにもかかわらず無視してしまった。
推進派の合意のでっち上げは、10月21日の羽田空港新滑走路供用開始による成田空港の地位低下の危機意識だった。小泉成田市長は「羽田の動きからしても成田は今、躊躇できる状況ではない。発着枠を拡大しなければ、成田の限界論を認めることになる」などと発言。相川芝山町長にいたっては、「大賛成の住民は皆無だった。住民には消極的な意見が多いが、騒音対策の充実を前提に条件付き賛成とする地域共生策をしっかりやる」などと述べ、騒音地域が拡大し住民の空港被害の打撃を回避するのではなく、空港会社からカネを出させながら延命していくなど矛盾に満ちている。空港利権を貪りつつ、住民の危機感や不安に対しては防音工事費、移転補償費支出、減税などの交換条件を押し付けて圧殺しようとするのだ。しかも過密ダイヤによる管制業務疲労、ニアミス・接触事故、滑走路離発着事故の多発化の危険性さえも棚上げし逃げ切った。
すでにB滑走路北端地点の着陸する航空騒音は、約2分間隔で89デシベル、最大101・3デシベルという「電車のガード下並」の轟音が常態化している(成田プロジェクト騒音測定/8月8日)。
身体の健康被害が発生する騒音限界値65〜70デシベルをはるかに越えてしまっている。冬場の北風状況時には、ジェット機はB滑走路南端コースに着陸するため東峰住民には同レベルの轟音が間断なく襲いかかり、騒音地域も拡大する。その上、空港会社は、現在の夜の11時から朝の6時まで離着陸ができない運航規制から、深夜早朝の1時間ずつ運用延長さえ要求し始めている。
結局のところ、成田も羽田も住民と労働者を犠牲にした空港公害のまき散らしであり、無限な航空機大量運航による人権・環境破壊をやめさせよう!
……山下一夫(成田プロジェクト)