たたかいの現場から
861号

朝鮮学校「無償化」はずしに怒り 全国結集し日朝連帯で熱烈に闘う

 3月31日午後、東京の日比谷野外音楽堂で「朝鮮学校はずしにNO!すべての子どもたちに学ぶ権利を!3・31全国集会&パレード」が開催された。
 主催は、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、フォーラム平和・人権・環境、全国朝鮮高等学校学生連絡会、全国オモニ連絡会など、日朝7団体の呼びかけによる実行委員会で、これまでの朝鮮学校無償化問題では最大の7千500名が参加した。
 民主党政権下の2010年に「高校無償化」が実施されたが、「外交上の問題」を理由に朝鮮学校だけが適用から除外されつづけ、2012年12月、安倍自民党政権になると「省令」を「改正」して完全に無償化はずしを行った。
 こうした政府の動きに呼応し、東京、大阪をはじめ、神奈川、埼玉、宮城などの多くの自治体が「国民(県民・都府民)の理解が得られない」として朝鮮学校への補助金を打ち切っている。まさに「朝鮮学校抹殺」をはかる民族差別排外の行為である。
 集会のオープニングは、朝鮮大学生による「声よ集まれ、歌となれ」の合唱。はじめに主催者の長谷川和男連絡会事務局長は「安倍政権による朝鮮学校の無償化除外を断じて許してはならない。朝鮮侵略の歴史を反省し、日本の人権と民主主義を守るためにも、今日を出発点にあきらめず闘い抜きましょう」と訴えた。
 その後、賛同人としてルポライターの鎌田慧さん、千葉大学の三宅晶子さん、デヴィ・スカルノさん、韓国から映画「ウリハッキョ」の金明俊監督が発言した。つづいて朝鮮学校舞踊部と声楽部の生徒による文化発表、全国10ヵ所の朝鮮高校生徒代表よる意見表明、大阪、愛知の日本の支援団体から闘いの報告があり、オモニ会からのアピールの後、全員で銀座から常盤橋までパレードに出発した。
 この日は身が震えるほどの寒さで、理不尽な差別排外にさらされている朝鮮学校の状況と重なるように思える天候であったが、全国各地から参加した日朝友好市民団体、労働組合、朝鮮学校の生徒、保護者ら全参加者は、寒さをものともせず「差別に負けない。不正義を許さない。今日を新たな出発点として、あきらめずに無償化適用されるまで闘い抜く」という熱い決意に燃え、途中右翼の妨害をはねのけて、堂々とパレードを行なった。

日朝友好高麗野遊会実行委員会 古田武

郵政産業ユニオンなど「ストで闘うことの意味を再度つかもう」

 労働争議が激減している。一昨年の労働争議件数は612件。そのうちストライキを伴うものは、たった57件だった。春闘で、町のそこここに組合旗が翻り、スト決起集会が開かれるという光景が見られなくなっている。
 こんな全体状況の中でもストライキでねばり強く闘っている労働組合がある。
 自動車、電機をはじめとした13春闘集中回答日に、電通労組、N関労が宮城、東京、兵庫、尼崎で1時間ストを行った。電通労組は、1980年組合結成以来、毎年ストで春闘を闘っている。同じく3月13日、長期争議を解決した昭和シェル労組は、春闘回答を不満とし、15分ストに入った。
 郵政産業ユニオンは、非正規労働者の正社員化、均等待遇実現を要求の柱に、同月19日、全国26拠点で1時間ストに入り、東京の郵政本社前スト突入決起集会を始め、全国各地で地域の仲間を結集し、社前集会を行った。この郵政産業ユニオンのスト突入決起集会では、組合員がスト突入まで悩み、逡巡したこと、それを吹っ切ってストを敢行し、晴れ晴れとした表情でスト集会に参加したことが報告されていた。
 全国一般をはじめとする民間中小でも、拠点職場のストが、少年写真新聞、旭屋、メトロコマース、市進学院と、それぞれ春闘要求や雇い止め阻止の要求を掲げて闘われている。
 中小春闘の本番はこれからで、さらに多くの職場でストが取り組まれるだろう。ストは労働者を解放する。職場の主人公が働く労働者であることを明らかにし、労働者の自信と確信につながる。「ストで闘うこと」の意味を13春闘で再度つかもう。

全国一般全国協 遠藤一郎

市進学園の非常勤講師がスト

 進学塾の非常勤講師でつくる東京東部労組市進支部は、51歳定年制の撤廃や不当解雇を求めて3月31日ストライキを決行した。
 組合員8名のなかには、一年契約を20年以上も反復更新してきた講師もいる。会社は役員報酬2千万円以上を確保する一方で、業績不振を口実に、組合員の賃金を大幅削減した。
 50歳になる組合員に向かって「あなたも50歳になったんだから、どうかお引き取り願いたい」と団体交渉で代表取締役が言うのを聞いて「迷いがふっきれた」という並木創一委員長。
 「従業員を守るのが企業の責任。子どもたちに未来ある講座をするため、働く仲間が解雇されているところを黙って見過ごすことはできない」と、これからも粘り強く交渉を続けると決意を語る。

松元 千枝

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