たたかいの現場から
867号

プルサーマル計画絶対阻止! 仏からのMOX燃料輸送へ抗議

  6月27日早朝に、関西電力の高浜原発にMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料が、フランスから海上輸送されました。2011年3月11日の福島原発事故後初めてとなる今回の輸送に対して、輸送ルートにあたる沿岸諸国からも抗議の声があがっていました。当日は、地元をはじめ全国各地から150名ほどの市民が対岸の岸壁に結集し、抗議の声をあげました。

  7月8日の新規制基準施行後、関西電力は高浜原発3、4号機で再稼働の申請をすることを表明し、その際「MOX使用を考慮した申請をする」と八木誠社長は述べています。今回の輸送は、MOX再稼働にむけた環境整備ともいえるものです。

  MOX燃料を使用することは、これまでの原発の安全余裕度を低くし、事故による被害も大きくなると指摘されています。さらに電力会社にとってもMOX燃料の加工費、輸送費、貯蔵費、使用後の処理・処分費(未定)などは、これまでのウラン燃料の費用を何倍も上回るもので、近年特に厳しい経営状況にある中で、さらに経済的負担を増すものです。電力料金の値上げが言われる昨今、そのあり方も問われるものです。

  使用済みMOX燃料の処理・処分についてもいまだ何も決まっていません。そのような中で見切り発車のようにMOX燃料を使うプルサーマル計画を実施することは、「トイレなきマンション」と言われているこれまでの原子力政策の「愚」をまたも繰り返すものです。
  六ヶ所再処理工場の後につづく第二再処理工場で使用済みMOX燃料は処理されるように描かれていますが、第二再処理工場の計画はいまだ何も進まず、実現可能性がまったくないのが現状です。使い終わった後のMOX燃料は、これまでのウランの使用済み燃料に比べ、発熱量が約二倍に増え、長半減期核分裂生成物も増加するなどやっかいな核のゴミと化すだけです。
  さらにMOX利用計画を含む日本の核燃料サイクル政策は、六ヶ所再処理工場建設や「もんじゅ」をはじめとする高速増殖炉計画、そして高レベル放射性廃棄物処分問題では、技術的、経済的さらに社会的にもすでに破綻していることは明らかです。そのような現実を見れば、MOX燃料の利用や再稼働そのものに正当性はありません。

  未来にこれ以上核の負の遺産を残すことは許されません。一刻も早い原子力からの撤退をあらためて強く求めるものです。

井上 年弘(原水爆禁止日本国民会議)

追い出し部屋でおなじみの文芸社 逆切れ!

  自費出版業界最大手で、ベストセラー血液型別『自分の説明書』シリーズでも知られる文芸社。その社員で、入社4ヵ月目にトップセールスを達成した営業の小川秀朗さんは、中途入社して2年目の終りとなる2012年2月、理由も告げられず退職を強要された。
  小川さんは、渋谷区にある某ユニオンに加盟、反撃を開始した。しかし、団交を3回行うも解決に至らず、おまけに、そのユニオン担当者と闘争の方向を巡って意見が相違したため、それまでのご厚意を謝した上で昨年5月にそのユニオンを脱退。そして東京管理職ユニオン(MU)に加盟し、闘争の仕切り直しと相成った。

  その後も文芸社は、攻撃の手を緩めず、一方的賃金ダウン、更なる退職勧奨攻撃、挙句に、地下室の追い出し部屋に小川さんを押し込め、苦役と言いうる作業、あるいは「廃棄原稿(!?)のデータベースを作る」と称して、コンバータ・ソフトがあるのに使用させず、逐次手入力を強制(闘いによって現在は、ソフトの使用を勝ち取る)し、更にそれを二人の部長が背面監視するなど、虐待と言っても過言でない所業を繰り返してきた。

  そのような攻撃に対し小川さんは、仲間を集めて支部を結成し、支部長に就任、本格的な反撃を開始した。彼を先頭にした果敢な反撃に対し、あろうことか会社は、去る6月18日付で、支部のHPに難癖をつけて、小川支部長に対し、損賠訴訟をうってきた。
  この訴訟は、いわゆるスラップ訴訟と呼ばれるものであろう。この間の団体交渉で、支部HPに関し、提訴内容に関する事項の抗議・申し入れは一切なく、そればかりか、この間の内外の闘いにより、追い出し部屋は廃止を余儀なくされる寸前にまで追いつめられているのである。
  瓜谷社長の私怨から発した苦し紛れの提訴と言える。
  かかる攻撃に対し、攻撃を跳ね返すだけでなく、強大な支部建設を実現するためにわがMUは奮闘していく!
  全国の仲間の皆さんの注目とご支援をお願いいたします。

安部 誠(東京管理職ユニオン)

日日刻刻  めだつ男女間の賃金格差 (6・13〜26)

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