富士美術印刷は破産させた子会社の労働者を全員雇用せよ!!
9月14日18時頃、突如社長親子と弁護士3人が現れ、会社の破産を通告した。3連休を前にして、普通なら皆帰っているところだったが、親会社からの仕事引き上げの動きを察知し、対策を相談していたところだった。
負債総額は約8千万円、そのうち7千万円近くは従業員18名の退職金と解雇予告手当、そして目前の9月分賃金である。要するに労働者に一銭も払わず、全員を丸裸で放り出すための計画的な「自己破産」であった。東京・荒川区のフジ製版という会社の出来事である。そこには全労協全国一般東京労働組合フジビグループ分会が組織されており、組合は直ちに親会社の雇用責任を追及し、労働者を路頭に迷わせて自らの資産確保に走る経営者・田中一族に闘いを挑んでいる。
フジ製版は同族で経営する富士美術印刷(フジビ)の子会社で、売上げの9割をフジビの仕事が占める。その仕事は継続してあるのに、労働組合活動を嫌い、労働者の生活を奪うことによって一族の資産を守るべく(資産は担保になっていないので、自分たちは無傷なのだ!)、まずフジ製版を破産させて労働者を放り出したのである。しかし、親会社・フジビは業務を続けており、当面この親会社に組合員を雇用させることをめざして、東京労組とフジビ分会はビラ入れや社前集会を繰り返し、破産管財人とも協議して当面の職場を確保している。フジビは、自分勝手な業務上の事情で一部の従業員に仕事を与えるかのようなふりをしているが、結局は全員を切り捨て、より一層の合理化を進める構えである。組合は、フジ製版と親会社・フジビの労働者をあわせて組織しているので、フジビの団体交渉拒否を不当労働行為として、東京都労働委員会に救済を申し立てた。
一方、経営者・田中一族は地元の大資産家として「有名」であり、地域での抗議行動も強めている。特に荒川区労働組合評議会の仲間の支援も得て、地域からの包囲網を形成中である。その一環として、10月26日18時から、地域デモを展開する計画である。(詳細後日)
大野隆(全国一般東京労働組合副委員長)
薬害肝炎救済法が5年延長
9月14日の国会で、「薬害C型肝炎患者に対する救済法(特措法)」について、現行法の提訴期限5年を、さらに5年延長(2018年1月15日)するとの改正が行われました。きちんとした解決のためには提訴期限5年では不十分なことが、この法改正で明らかになったといえます。
C型肝炎患者は全国で240万人、そのうち薬害による患者は製薬会社が認めた最低数でも1万人、実際にはその何倍もの薬害C型肝炎患者がいると見込まれていますが、現在までに特措法で救済された肝炎患者は1千900人程度に留まり、対象患者のごく一部しか救済されていません。
そもそも、特措法成立時、衆議院の付帯決議では「カルテのみを根拠とすることなく、手術記録、医師、看護師等による投与事実の証明、又は本人、家族等による記録、証言等と様々なものを考慮すること」とされましたが、現実にこの特措法で救済されているのは、カルテがあるか医師の協力が得られた患者にほぼ限られ、対象患者の2割以下しか救済されていません。行政救済でなく司法救済のために、薬害であることの明確な証明が求められているからです。
このような特措法の運用では、カルテがない患者にとっては『切り捨て法』にすぎません。あの3・11福島第一原発事故による放射能汚染は、どこまで広がっているかは闇の中です。しかし、国は近い将来に発病するであろうガンなどとの因果関係について、薬害C型肝炎被害同様に立証責任を被害者に求めてくることを危惧しています。根っ子は全く代わりません。
薬害C型肝炎患者の幅広い救済を実現するためにも、全国各地での提訴と原告の拡大、各政党に対する協力要請などをさらに強めていくつもりです。
関口広行(カルテがないC型肝炎訴訟原告団事務局・
C型肝炎患者をサポートする会事務局長)
闘う方針を掲げ全労協大会を開催
9月23日から24日にかけ、第24回全労協大会が、静岡県熱海市で開催された。 新自由主義路線に回帰した野田内閣に対して、労働運動が大きく立ち後れていると総括。非正規労働者の組合加入や震災復興への支援連帯、争議支援などの運動に組織をあげて取り組む方針を全体で確認した。
岩崎松男(本誌副編集長)
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