関学雇止め解雇事件 中労委が全面棄却
11月5日、中労委に再審査申立を行っていた関西学院大学(以下、関学)障害学生支援コーディネーター雇止め解雇事件の命令が交付された。2010年3月末、上限4年の有期雇用を理由に関学を雇止め解雇になり、3年9ヵ月の争議の末、手にした結果は全面棄却だった。内容は、大阪府労委の棄却命令の踏襲に終始していた。
中労委は「期限付契約職員を契約終了に伴って雇止めすることや、雇用形態の転換による継続雇用も行わないことは、職員の組合加入前から決まっていた法人の方針である」とし、今回の雇止めが、不当労働行為ではなかったと判断を下した。
しかし調査の過程で、契約期間終了後も、期限付契約職員が嘱託職員に雇用替えをし、同じ部署で継続雇用されている事例があることが明らかになった。実際、私と同時期に雇止め解雇になる予定だった期限付契約職員の非組合員は、嘱託職員として継続雇用されている。中労委は関学側に、「元期限付職員であって嘱託職員として採用された者は、どのような理由・事情があって採用されたのか」「元期限付契約職員が嘱託職員として採用されたのに、大椿が嘱託職員として継続雇用されなかった理由は何か」という求釈明を行っておきながら、回答を避けた関学側を徹底追求することもせず、その点について判断を避けた。この点こそが、不当労働行為を明らかにする重要なポイントであるにも関わらず、中労委は徹底した調査を放棄し、自らの思考停止を許したのだ。全ての期限付契約職員が関学の方針により、雇止め解雇になっている訳ではないという事実がある以上、これを棄却理由の根拠にすることには矛盾がある。法人の方針は、恣意的に変更することが可能なものであることは明白だ。
また、「コーディネーターの雇用限度を4年間とすることにより組織の活性化を図ることが法人の重要な人事政策とされ、そのような人事政策が必ずしも不合理であるとは言えない」という有期雇用を容認する中労委の回答に至っては、脱力するより他なかった。今後、この論法で全ての有期雇用問題は棄却されるだろう。中労委は、労働者救済の理念を投げ売ったのか。
裁判所も労働委員会もまず「契約ありき」で、それ以上の追求はしない。彼らがその姿勢を崩さない以上、有期雇用労働者が権利を勝ち取る方法は、労働組合に入り、仲間と連帯し、実力によって継続雇用を勝ち取っていくしか道はないというのが3年9ヵ月闘って得た私の確信だ。
大椿裕子
(関西学院大学障害学生支援コーディネーター
雇止め解雇事件被解雇者/大阪教育合同)
兵庫県警の不当弾圧糾弾! 抗議声明の賛同、抗議FAXの要請
11月14日午前、自立労連や洛南ユニオンなどの共同事務所への5時間にも及ぶ兵庫県警の強制捜査が行われ、居合わせた労組役員が公務執行妨害で逮捕され、ビラなどを押収し持ち帰りました。
(以下、抗議文より抜粋)
捜査令状は、容疑は旅行業法違反、被疑者は不詳だが組合事務所全部を捜査対象とする、というもの。労組が旅行業と何の関係があるのか、被疑者は分からず事件となる事実があったのかどうかも不明、問い詰めても捜査令状の記述を繰り返すだけで答えになっておらず意味不明です。
しかし言葉尻や捜査の行動から、この事務所が連絡場所になっているNGO市民団体CFFC(フィリピンの子どもたちの未来のための運動)に関連する資料を集めに来たらしいと判明。
市民団体CFFCは、フィリピンのスラムの子どもたちの支援や、日本の大企業による営利追求のサンロケ・ダム建設反対闘争も地道に続けています。また、日本からの現地学習ツアー希望者にもボランティアで協力しています。
旅行業法違反の強制捜査とは、こうした活動をあたかも無免許悪徳旅行業者のようにデッチあげ、「お上」に逆らう運動を押しつぶそうとする権力の横暴です。
こんな強制捜査に抗議するのは当たり前で、それを大勢の警官が暴力で押さえつけ逮捕・連行したのは、国会でも問題だと取り上げられた「ころび公妨」(逮捕理由の見あたらない市民をわざと怒らせて抵抗させ、公務を妨害したとデッチあげて逮捕するという警察の手口)の典型です。
ましてや旅行業とは何の関係もない労働組合の事務所をくまなく強制捜査する理由など全くなく、労働運動・労働組合を弾圧するための難癖材料を漁ろうとしているとしか思えません。こんな捜査令状を認めた裁判所は、警察の言いなりとしか思えず、これでは司法の独立どころか不当捜査・不当逮捕の令状自販機と言われても仕方ない事態です。
こんなことを野放しにしていたら、人権は弾圧され、労働者・市民は言うべき事も言えなくなり、とんでもない暗黒社会になってしまいます。抗議声明への賛同をお願いします。(自立労働組合連合)
抗議声明に賛同していただける個人・団体は公表の可否を含めお知らせください。
Eメール:cffc_1989@yahoo.co.jp
●0774−48−1100
●抗議先
兵庫県警本部
神戸市中央区山手通5丁目4番1号
078−341−2110
宇都宮けんじキックオフ集会に1400人
11月14日、東京・なかのZERO大ホールで都知事選に出馬する宇都宮けんじさんを応援する「東京を変えるキックオフ集会」が開催された。
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