地域の再生は協同の力で
新たな価値観に基づく復興に向け仙台でシンポジウムを開催
全国集会に先立って、9月20日には、府庁包囲行動が行われた(主催「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪・全国集会実行委員会)。大阪城公園教育塔前広場に200人が結集した。「日の丸・君が代強制処分条例に反対する弁護士の会」の児玉憲夫弁護士(元大阪弁護士会会長)が発言したほか、参加団体からそれぞれ条例案阻止に向けた決意が述べられた。府庁包囲デモに移ると、参加者は大阪教育合同労組が作成した「君が代」条例反対のうちわを手にして、力強くシュプレヒコールを府庁に向けて浴びせかけ、秋の闘いを出発させた。
9月24日、大東市の総合文化センター・サーティホールで開かれた「君が代」強制大阪府条例はいらん!全国集会は、北海道から北九州・大分までの仲間を迎え、762名の参加で大きく盛り上がった。
集会では、高橋哲哉さんが「教育基本条例は『教育破壊条例』である」「知事が目標を決定し、知事→教委→校長→教員と上意下達で、教委以下はすべて知事の手駒・ロボットにすぎないものになる」「民主主義とは独裁であるという橋下知事の思想で、大阪の教育を破壊させてはならない」と条例案を批判。
大阪からは、保護者、大学生の発言に続き、山元一英・全港湾大阪支部書記長が反<ハシズム統一戦線を訴え、学校現場からは酒井さとえ・大阪教育合同労組執行委員らが闘いの決意を述べた。
大阪維新の会は、9月21日、府議会議長に「教育基本条例」「職員基本条例」案を提出した。この2条例案に対しては、行政の内部からも批判が噴出しており、大阪府の教育委員は「条例が成立したら辞任する」との意向を固めたと報道されている。「2条例案が橋下の墓穴を掘った」と言われるような結果を生みだすことは可能であり、そのための運動の拡がりが何より求められている。
岩崎 松男(本誌副編集長)
10・15「怒れる者たち」の世界同時行動に連帯を!
10月15日、東京・新宿柏木公園で、「『怒れる者たち』の世界同時行動に連帯を!」の集会とデモが行われ、300人を超える仲間たちが参加した。新宿のほかに、日比谷、六本木(次ページの写真参照)でも同趣旨の行動が取り組まれた。
最初に、国際連帯行動実行委員会の仲間が「10月15日『怒れる者たち』の世界同時行動として連なるさまざまなアクションが、国境を越えて70ヵ国以上、1600都市以上で行われる。この行動の発信元は5月、スペインのマドリッド広場を長期間にわたって占拠した仲間たち。ニューヨーク『ウォール街占拠』の闘いがリンクして、一気に広まっている」と経過を報告した。
そして「3・11から7ヵ月、生存権がないがしろにされ、人間の尊厳が踏みにじられてきた現実! 今こそ反撃の闘いを、いたるところに無数につくりだすときだ。格差社会を強制終了! 生きる権利を再起動! 怒れる者たちはつながろう!」と訴えた。
次に、「持たざる者の国際連帯行動」を代表してなすびさんが「ウォールストリートの運動は反格差社会を訴えている。もうひとつは占拠である。公共とは何かを問うている。日本で被曝労働をしている者たちがいる。彼らは他に仕事がないので自分の命を切り売りして生活している。その労働に日雇い労働者がかり出されている。彼らと共につながるメッセージを送りたい」と述べた。
続いて「渋谷のじれん」の仲間が「13年間、渋谷区の児童館前の敷地を共同炊事や寝場所として使ってきた。都は東日本大地震を受けて児童館の耐震工事をするということを理由に、10月から来年1月まで閉鎖すると排除してきたが、それを許さず闘う」と報告。
11月11日午後6時〜7時半、原発の再稼働をさせないための経産省包囲行動への参加呼びかけと、9月23日新宿デモで不当逮捕された園良太さんが「日比谷派遣村のような大衆的なアクションを反原発運動でも起こそう」と訴えた。集会終了後には、新宿駅周辺をぐるりと回るデモを行った。
松下 知
六本木・三河台公園
六本木・三河台公園での「オキュパイ・トウキョウ」を呼びかけたのは、雨宮処凛(作家)、内田聖子(PARC)、河添誠(首都圏青年ユニオン)、松元ちえ(レイバーネット)の4人。公園には約200人が集まった。一人ひとりが言いたいことを書いたパネルを手にアピールしたり、スカイプでアメリカとつないだりと、集会というより自由広場のような雰囲気。届けを出していないからと、マイクを使えない中でも、手作りカレーあり、ドラム演奏ありでマスコミの注目も高かった。そんな“予測不能な”99%の運動が拡大する可能性を見たのか、公安警察の数の多さも相当なものだった。
浅井 真由美(本誌編集長)
「同じ仕事をして一時金・退職金も貰えないのは許せない」と
自治体非常勤労組が集会を開催
今や全労働者の3割、女性の5割以上が非正規労働者で占められている。人件費節約の手段としてもっぱら経営者に重宝されてきたのが、パート、派遣、臨時といった非正規社員である。しかも、非正規労働者は民間ばかりか、全国の自治体で臨時職員や非常勤職員として60万人以上も働いている。そのうえに「高給泥棒」との公務員バッシングの波までかぶっている。
「ちょっと待って! 私たちは常勤職員と同じ仕事をしながら、一時金も退職金も昇給すらないのよ」とたまらず声をあげたのが「一時金・退職金をこの手に!10・4集会」だった。
こうした参加者の気持ちを代表して中嶋祥子実行委員長は「これまでの『ボーナス日、非常勤には悲しい日』を『ボーナス日、非常勤にも嬉しい日』に変えていきましょう」との自作川柳で集会の幕を開けた。続いて「3年目からはじめた『なくそう官製ワーキングプア』の世論づくりのために、自治労、自治労連、公共一般、連帯労働者組合など、労組の垣根を越えて一日共闘方式で集まった。『こんなに仕事をしているのに一時金、退職金がないのはおかしい』と堂々と声をあげよう」との基調が提起された。
特別報告としては、大阪府下での枚方市や茨木市の判決をもとに、昨年11月30日に「非常勤職員の一時金支給等」の条例を勝ち取った守口市などの闘いが報告され、全国の非常勤職員に適用させるために早期の条例化を呼びかけた。
また、職場の闘いとして、「職員寮に入居できるようになった」(荒川区図書館非常勤労組)、「非常勤一時金獲得に向け23区の突破口になりたい」(港区職労)、「非常勤職員の待遇改善は、正規職員の労働条件や住民サービスと直結した問題」(東京自治労連)、「プライドを持って働いてきた。一時金・退職金を取って老後に充てたい」(東京公共一般)など、地道な闘いや切実な要求に加え、非正規職員の要求実現のために正規職員が共に闘うことの大切さも確認することができた。
ステージには、参加者たちの要求が書かれたカラフルな野菜や果物のシールが所狭しと貼られ「メリーさんの羊」の替え歌で「ボーナスをこの手に」を合唱したりと、アイデアあふれる企画には、華やかというより「何としても一時金と退職金が欲しい」との思いがこもっていた。
また、こうした格差を是正し均等待遇に向けた活動強化のために、11月1日にはNPO法人官製ワーキングプア研究所を設立することも紹介された。
岩崎 松男(本誌副編集長)
那覇で『沖縄 アリは象に挑む』出版の会
10月5日夜、那覇市のパレット市民劇場で、『沖縄 アリは象に挑む』出版の会が開催された。この本の執筆者由井晶子さんの本来の専門分野が文化であること、会の仕掛け人・崎山律子さんがプロデユーサーという関係から、運動関係・学者文化人だけでなく琉球舞踊の大家や芥川賞作家など、3週間での準備とは思えないほどの幅広い分野の39名が呼びかけ人となって下さった。
当日の参加者250名中、琉球舞踊などの芸能界60名、高校の同窓生が30名と、オスプレイの問題点を直接聞いたり基地問題の本に触れる機会が少ないという人々の参加や本の購入が目立った。
また、飲食を伴わない新しい出版を祝う会のスタイルを築きたいという思いもあったとのこと。だから会場も劇場。
会は、おめでたい席の座開けとして有名な古典舞踊「かぎやで風」で始まり、「第一部・出版にあたって」では「出版までの経緯」を浅井(本誌編集長)が、『象に挑んだアリ』を由井さんが、「出版の意味するもの」とオスプレイの問題点を真喜志好一さん(建築家)が語った。
そして、この本の出版元・(株)七つ森書館の中里英章代表の挨拶の後、参議院議員の糸数慶子さんが花束を贈呈。
続く「第二部・由井晶子を語ろう」では、「ジャーナリストの先輩として」と題して山城紀子さん(ジャーナリスト、元沖縄タイムス)が、「女性史研究の指南者として」を宮城晴美さん(沖縄女性史家)が、「 東京時代の由井夫婦」を今郁義さん(北谷町生涯学習プラザ館長)が語り、由井さんの人間性が浮かび上がった。そして由井さんが語る「沖縄女性と文化」。会場は大いに盛り上がり、新しい出版を祝う会のありように共感の声が寄せられた。最後に、海外出張のため参加できなかった元沖縄県知事の大田昌秀さんからの祝電が披露された。
浅井 真由美(本誌編集長)
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