「日の丸・君が代」関連の2控訴審訴訟に勝訴判決
「はしご」という言葉がある。呑み屋の「はしご」が一般的だが裁判官による判決の「はしご」には驚かされた。
2011年3月10日、東京高裁大橋寛明裁判長は、この日14時50分から西多摩地区義務制(アイム)の都教委「日の丸・君が代」強制処分事件(一審原告2人)の判決を出すことになっていた。そして、その10分後の15時から、同裁判長は「東京『君が代』裁判」(一審原告167名)の判決を出す予定となっていた。不当判決の「はしご」を演じるものだと思っていたら、これが逆転勝訴の「はしご」なのであった。
最初のアイム関係判決では、関係者は「10人の傍聴者がいれば良い方かな」と弱気を述べていた。ところが、822法廷には約30人ほどが参席し、判決を聴き入った。「一審判決を変更し…」と裁判長が述べた時、「エッ!」という声が漏れてきた。そして「処分を取り消す」と判示した。弁護士と2人の原告の握手が始まった。喜びの法廷となった。
そして、裁判官と競うように一階の101号大法廷へ走り向かった。
「東京『君が代』裁判」では、既に101号の大法廷は満席であった。アイム関係の「勝訴判決」を他の傍聴者に伝えながら、席に着いた。15時の開廷に裁判長は少し遅れて入廷してきた。そして全く同じ趣旨の勝訴判決を宣言したのだ。
それにしても無愛想な裁判長である。あの予防訴訟の歴史的判決を出した難波公一裁判長も無愛想であった。どうも無愛想裁判長の方が良い判決を出しそうなのだ。それに対して、如何にもニコニコし、リップサービスを振りまく裁判長の方が悪いということが判ってきた。予防訴訟都築弘裁判長がその例である。
「処分を取り消す」の判決は、翌日の新聞で大きく報道された。記者会見に臨席した女性教員は思わず涙を潤ませた。勝訴判決は感激をもたらすものであった。
しかし、判決の全体は都教委通達と職務命令を合憲合法と判示しており、都教委に対する「懲戒権濫用」による一部勝訴の内容であった。このために、同訴訟は損害賠請求で上告をすることを決めた。いよいよ舞台は最高裁に上がっていく。闘いはこれからだ!
この高裁判決は、確定すれば判例となり、会社の不当な雇い止めに対して、「闘えば勝てる」という状況を作り出します。 確定してようやく職場復帰することができます。職場復帰をするまでが闘いです。あとどれくらいかかるかは分かりませんが、これからも皆様のご支援を宜しくお願いします。
永井(原告)
C型肝炎訴訟第1回口頭弁論60名が参加
「カルテがないC型肝炎訴訟」の第1回口頭弁論が、3月15日13時30分より東京地裁103号法廷で行われた。
はじめに、加藤主任弁護士より訴状の要旨陳述を行ったのち、被告・国側答弁書の陳述(口頭では行わず)。続いて、原告団から坪谷代表ほか1名の陳述、弁護団長・山口弁護士から意見書の陳述が行われた。坪谷原告代表は遺族という立場から肝癌で亡くなった母の思いを切々と語った。裁判長から「国側が、基本合意書、覚書等を提示してきている点についてはどうするのか(基本合意書、覚書とは2008年当時の原告と国が救済法施行する際に結んだもの)」と原告側に意見を求めてきたが、原告側からは「あくまでも救済法と付帯決議に則って行いたい」旨を主張し確認した。この日、11日の大震災の影響で原告側の傍聴がどれだけ確保できるか心配していたが、100席余りの傍聴席をほぼ埋める患者・原告・サポートする会の参加があった。
裁判終了後、14時30分より会場を移して報告集会が開催され、原告を中心に約60名が参加し、山口弁護団長から裁判の報告と今後の進行等について説明され、とくに第1陣に間に合わなかった方は半年以上待っているので、なんとか5月31日の第2陣に向けてがんばりたいと決意された。清水弁護団事務局長からは「裁判所の意識を変えるよう頑張りたい」と話され、法廷で陳述した2名から裁判の感想、大阪・鹿児島・北海道の原告団から各地の状況報告がされ終了した。
次回期日は5月24日(火)13時45分から口頭弁論。
関口広行(サポートする会事務局)
大震災がらみの労働相談を受付中
東日本大震災に伴う労働相談が相次いで寄せられています(以下はその一例)。
(1) 登録型派遣で働く30代女性から。地震で電車が遅れたため30分遅刻して派遣先に出社したら、派遣会社から「明日から行かなくいい」と言われた。
(2) 仙台市内の被災者から。会社から「出社しろ」とのメールがきた。親戚の家に身を寄せていて着替えも何もない状態なのに。
(3) 都内の会社員から。計画停電による電車運休で出勤できないと伝えたら、会社から鉄道会社の証明書がなければ欠勤扱いと言われたうえ「来ようと思ったら来られただろう」「来る気持ちがないから来られないんだ」とめちゃくちゃな叱責を受けた。
(4) 関東のコンビニでバイトしている男性から。大震災の影響で売り上げが落ちたので時給を200円下げるとオーナーに言われた。現在の時給700円が500円になり最低賃金法に違反する。それも地震が起きた3月11日にさかのぼって下げられる。
(5) 千葉県の衣類販売員から。大震災に伴って店舗が営業停止に。再開のメドは立たず、自宅待機を命じられた。東京本社で仕事をさせてほしいと言ったが拒否されたうえ、休んでいる間は個人の有給休暇をあてがうよう強制されている。
(6) 電話営業のパートから。会社から「地震で電話も通じず事務所も開いてないから仕事ができない。今月は事務所を開けないから辞めてくれ」と言われ、会社内の私物が着払いの宅急便で送られてきた。ところが、翌日事務所に行ったら普通に仕事していた。
大震災がらみの労働相談を緊急受付中
……NPO法人労働相談センター
tel:03-3604-1294
メール:consult@rodosodan.org
予約の上で来所での相談も可(京成「青砥」駅すぐ)
受付時間 平日は9時〜17時、日曜は12時〜17時
NPO法人労働相談センター