工場閉鎖に反対し、5日間のストライキを打ち抜く(全国一般東部労組)
東京大田区大森にある全国一般東京東部労働組合デイベンロイ支部は、企業向けのユニフォームのレンタル事業を行う「デイベンロイ・リネンサプライ」で働く正社員・パートを組織し、職場だけでなく地域ぐるみで労働者の団結と連帯を拡大してきた。
こうした労働組合を嫌悪した会社は、6年前より組合つぶしを狙って道路拡張や耐震問題、経営状況などを理由に本社大森工場の閉鎖・移転を提案し、その度に組合に論破され撤回を余儀なくされてきた。
だが会社は3月末工場閉鎖提案を撤回後、論拠の破綻した耐震問題を口実に強引に4月末閉鎖を打ち出し、4月4日に団交を一方的に打ち切り、ファックスで120名の希望退職募集説明会を8日と9日に実施することを通知してきた。その内容は、退職金を会社都合で支払うこと。基準内賃金の4ヵ月分を加算金として支払うこと。希望者には就職斡旋をするとなっている。また希望退職者数120名は、大森本社工場の人員と合致し、募集人員が不足した場合は、大森工場の嘱託・パート・アルバイト・社員の順で解雇するとある。
組合は、「これは大森本社工場閉鎖を狙った希望退職であり、説明会は閉鎖のためのアリバイづくり」と判断。4月5日13時より9日まで、工場の女性パートを主力とする60余名が「大森工場閉鎖反対、希望退職説明会粉砕」を求めてストライキを5日間打ち抜いた。
また、希望退職説明会の行われる8、9の両日は都内や地域より200名程の支援者が駆けつけ、会社に不当な希望退職説明会を中止し工場閉鎖を撤回するよう抗議し、工場内をデモ行進した。
その後4月13日の都労委調査の場で、都労委より仲介の意向が労使双方に打診されたため一時休戦状態にあるが、今後の展開は全く予断を許さない。
岩崎松男(本誌副編集長)
大飯原発再稼働阻止を訴え経産省前でもハンスト
『原発ゼロの日 さようなら原発5・5集会』へ
醜悪なドタバタ劇のあげく13日夜の4者会議で、大飯原発3、4号機の再稼働を認めた政府方針に反対し、「大飯原発再稼働絶対阻止!」を掲げた経産省前の集団ハンストが始まった。17日、12時より経産省前テントひろばで突入集会を兼ねた記者会見が行われ、「このハンストは原発ゼロの日を目指し、それまで再稼働を許さず5月5日を脱原発運動の記念すべき祝日として迎えたいという思いで始まり、福井県庁前で行った小浜市明通寺・中嶌哲演住職の断食を『原発いらない福島の女たち』のリレーハンストが引き継いで来た流れに合流するもの」と発表。
「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは「今日までに日本国内各地やアメリカまでもの100名以上がリレーハンストに入った。ダイエットにもなり、脱原発社会を夢見ながら知らない人たちとつながれる」と明るく感想を語り、中嶌さんは「こどもの日を原発ゼロで迎えると、子どもたちへの最良最高の贈り物になる」と述べた。
また「さようなら原発1000万人アクション」呼びかけ人の鎌田慧さんや落合恵子さんは「5月5日は、『原発ゼロの日 さようなら原発5・5集会』(東京・芝公園23号地〈東京タワー下〉)を開き、7月16日には10万人集会を開く、これは世直し運動だ」、「反原発は反差別、反基地、反戦とつながる、根っこは命を守ること」とそれぞれ激励した。
(本誌編集部)
労働組合も、危険なTPPに 労働組合も、危険なTPPに反対の声を挙げよう!
日本政府は共和国の人工衛星問題等で国民をあおり、戦争できる国つくりに没頭している中、消費税増税問題や社会保障制度の改悪など何一つ国民にとって安心して将来を迎えることができない法整備にまい進している。
その中でも国民に周知公開されず進めようとしているのが、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)であり、私たち労働者にとって直接現場で労働環境の破壊に繋がる危険な物が導入されようとしていることに労働者・労働組合は全組織を挙げて反対の声をあげなくてはならない。
2010年菅直人首相が突然TPP交渉への参加を検討していると発表。今年のゴールデンウィークには野田首相が訪米しTPP参加表明をする可能性が強まっている。
物品の自由化のみならず、政府調達、投資、金融、知的財産権、サービス、労働問題等々全て非公開で進められており、農業や医療業界ではTPP問題について議論が進められているが、労働組合は全国的にもこの学習や反対行動が遅れている。
大阪では、いち早くこの3月9日のTPP反対関西集会を始め4月16日には全農林労働組合と共闘した決起集会、そして、学習会等を企画して反対行動を展開している。
労働組合が中心となり、TPP反対の共同闘争戦線を確立し、5月、6月も大規模な行動も企画している。国民の基本的人権さえも否定されるこのTPPに対し、声を挙げる時期だ。私たち連帯労組の関西地区生コン支部では、焦点となる6月にはTPPへの反対の労働者の声として、大規模なストライキも計画している。
西山直洋(全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部書記次長)
ネット社会で監視が進み、人権侵害が強まる
カナダから監視社会学の第一人者ライアン教授が来日
監視社会学は、現代社会において、個人データがなぜ重要視されるようになったのかを社会的、政治的、経済的、文化的側面から研究する新しい学問である。公共、民間を問わずこれだけ多くの監視システムで「見る」「見張る」行為があふれているのは何故か、そしてそれを誰が使い、利用しているのか。こういった観点からの研究は、日本では稀だが、世界では多くの専門家が参加している。 その第一人者であるカナダ・クイーンズ大学のデイヴィッド・ライアン教授がこのほど来日し、東京、兵庫、福岡で講演を行った。昨秋、岩波書店から『監視スタディーズ』(訳)を出版した田島泰彦(上智大)・小笠原みどりさんと私たち反住基ネット連絡会などが協同で招聘した。 ライアン氏の視点は、マイノリティや弱い立場の人びとに軸が据えられている。国家、企業などによる監視が人権侵害になるのか、市民的自由は確保されているのか、発言は終始一貫している。 結果として、市民から政府が見えなくなり、政府から市民はより見えるようになる。新たなIDシステム(日本では共通番号と番号カード)は、利便性以上に疑わしい人やマイノリティにはより不安をもたらすことになる。社会に溢れている便利なカードなどのシステムも、一方では「社会的振り分け」が進み、便利さから排除される人を生み出すとの指摘が印象的だった。 この時期にライアン氏を招いたのは、民主党政権が自民党すら容易に法案化できなかった「秘密保全法」(今国会では未提出)「共通番号法」(2月上程済み)という世紀の悪法に警鐘を鳴らし、世論喚起するためだった。東京2ヵ所で開催した講演会には多くの聴衆が詰めかけ、マスコミや国会議員にも注目される結果となった。 ところで、私たちは2法案反対の取り組みを広げるため、5月16日12時半から衆議院第1議員会館で院内集会を開催する。また、前出小笠原と白石との共著で『共通番号なんていらない!』(航思社、1400円+税)も発刊した。
白石孝(反住基ネット連絡会)
条件付採用教員の解雇自由を許すな
公務員の条件付採用は教員の場合特例としての1年を経過後、ほとんどの者は継続して正式採用となる。東京都の11年度の条件付採用2千919人中、正式採用とされなかったのは86人、84人が自主退職で、懲戒免職と分限免職が各1名であった(4月23日教育庁統計)。
私たちの組合が関わったA特別支援学校教師Bさん(40代)は、教科は体育で非常勤や常勤などを経験し条件付採用された。ところが年休の取り方など取るに足らないような事柄を、服務研修と称して何度も記録・感想を書かされ、20回も書き直したことも。また、プロ野球球団でのトレーニングスタッフの経験から、一学期は野球部顧問として休日も部活動に打ち込んだ。
だが、保護者からの苦情や服務研修に時間をとられ部活動に支障をきたしたとして、顧問も外されたが、職員会議資料には、担当した生徒からの高評価が記されていた。より問題なのは、校長からの度重なる退職強要で、1年未満の経験しかないのに手話が稚拙だとなじられたりしたという。
条件付採用採否の手順としては、校長より採用「否」の理由が伝えられると、本人が意見書を提出、それを元に特別評価委員会で採否の判断が行われる。そこで特別評価が「否」となると、条件付きが打ち切られ実質上の分限処分となる。この処分は人事委員会の申立てができないので、裁判所へ提訴するしかない。
Bさんには抽象的に採用「否」の理由が伝えられたので校長に説明を求めると開示請求をするよう言われたが、開示された書類は殆ど墨塗りだった。それ以降、退職強要は更にきつくなり、意見書への補充意見を追加したが、都教委は一切受けつけず分限処分となった。
このように条件付き採用というだけで、分限免職がきちんとした規準もなく、校長の恣意的な評価で行われている。
組合は、Bさんの東京地裁への処分取り消し訴訟を支援する。この闘いは校長の恣意的な評価をやめさせるだけではなく、都教委の職場の強権支配の一端をやめさせる闘いでもある。
江副康嗣(東京都障害児学校労働組合書記次長)
写真速報 【外国人一日行動】
今の日本社会は、外国人労働者なしには成り立たない。にも関わらずその多くが違法・不当な労働条件で働かされている。そうした外国人労働者の生活と権利を守るために、19年前から始まった「外国人労働者一日行動」。4月17日の午後、ウェザーニューズ労組(全国一般南部)の、委員長雇い止め解雇、住友重機械と日本精機のブラジル人労働者の偽装請負や派遣切りなど(神奈川シティユニオン)、松井縫製での中国人研修生に対する賃金不払い(全統一労組)の4カ所を国際色豊かな70名で取り組んだ。終了後は恒例の夜の銀座通りを「多民族・多文化共生社会を目指そう」とアピールを行った。
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