JAL裁判で相次ぐ不当判決
首切り自由を許さない
事業会社としては戦後最大の経営破綻といわれた日本航空(株)(JAL)は、2010年12月31日に経営再建策と称して、パイロット・客室乗務員165名を整理解雇した。このJALの解雇問題は国労に続く組合つぶしともいわれ、その裁判の判決が3月29日と30日に出された。判決は双方ともほぼ会社の主張だけを認め、原告が求める地位確認請求等を全て棄却する極めて不当なものであった。 この裁判では、日本航空という巨大企業の更生計画下での大量整理解雇ということから、整理解雇の四要件が適用されるか否かが問題視されてきた。また、提訴から判決まで1年3ヵ月というスピード審理や、客室乗務員訴訟での経営トップである稲盛和夫会長の証人出廷などでも、判決の成り行きが注目されてきた。 ところが、東京地裁民事第36部・渡邉弘裁判長(乗員訴訟)と民事第11部・白石哲裁判長(客乗訴訟)は、整理解雇4要件に照らしても整理解雇の必要性は認められるという不当判断を示した。その理由として、「例え過去最高の利益を出していても、『事業規模に見合わない人員を抱えることは更生計画に沿うものではない』」、「『稲盛会長が解雇は経営上、必要がなかった』と発言したことは『苦渋の決断による主観的真情の吐露に過ぎない』」と一方的に決めつけた。 この判決に対し「会社更生法下では、首切り自由を認めるもの」、「全労働者にかけられた闘い」、「絵に描いたような不当判決」と弁護団、支援者、原告は直ちに控訴して闘う意思を明らかにした。
岩崎松男(本誌副編集長)
弾圧に負けない不起立の闘い
3月27日、“「君が代」不起立処分を撤回しろ!”のシュプレヒコールが府教委が入る大阪府庁別館前で響き渡った。抗議行動参加者100人による“不起立者がんばれ!”の声は、処分伝達会場の府公館内にいた不起立者にも確実に届けられた。そして、不起立者も抗議行動の中で次々と発言し、処分の不当性を訴えた。
この日、府教委は卒業式での不起立者、府立学校12人、高槻、豊中、茨木の各市立学校1人ずつの計15人に「戒告」処分を強行した。9日に同じく処分された17人の府立学校教員に続く第二次処分である。
しかも、処分伝達後に「研修」を受けさせ、「入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の命令に従います」という文書への署名捺印を求めたのである。この文書提出は「任意」と言いつつ、「提出を拒否したらどうなるのか」という被処分者からの質問には「再任用の採否に影響を与える可能性がある」と臆面もなく、雇用と引き換えであると恫喝したのだ。実際に、署名捺印を拒否した学労ネット・高槻の組合員が再任用を取り消された(さらに府立学校でも1人が別の理由で再任用更新を拒否された)。さらに高槻においては、明白な組合差別と敵視のもと、学労ネットの組合員4人にだけ職務命令が出されたのである。
今回の処分の背景には、昨年6月に大阪府議会で維新の会提案の「君が代」起立強制条例が可決成立したこと、およびそれを受けて1月17日に府教育長が府立学校教職員全員に「君が代」起立斉唱の職務命令を出したことがある。教育長が教職員に直接の職務命令を出すのは前代未聞であり、法的にも根拠のないものである。また、3月23日に成立した職員基本条例では、1月16日の最高裁判決などなかったかのように、不起立3回で原則免職という規定が盛り込まれた。あの東京都教委ですら、今年3月の「君が代」不起立処分では累積加重を諦めたのに、である。
こうした重圧の中で、やむにやまれぬ選択として不起立を貫いた被処分者に対して、橋下大阪市長、松井大阪府知事、そして維新の会の議員たちが誹謗中傷を繰り返している。「腹を切るくらいの覚悟で不起立しろ」と議会で発言した府議、出席した卒業式で祝辞もそっちのけで不起立者を非難した府議(卒業生や保護者からの批判とPTA会長からの要請で後に形ばかりの謝罪をした)、そして「入学式でも不起立なら現場から離して研修させろ」と述べる松井知事など。
大阪市においても、3人が不起立を行った。中学校の卒業式段階では職務命令は出されておらず、不起立者が出たことで、小学校卒業式の直前に全員に職務命令が出された。3月末現在ではまだ処分は出されていないが、維新の会と公明党の市議団が連名で「厳正な処分」を求める要望書を出すなど、処分に向けた動きが加速されており、予断は許さない。
私たちは、予想される入学式での不起立者をも含めて、処分撤回、再任用取り消し撤回を求める被処分者の闘いと連帯し、「君が代」起立斉唱強制、不起立処分攻撃と闘っていきたい。
寺本勉(大阪教育合同労組、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局員)
マーチ・イン・マーチに300人
「2012春闘勝利」「奏でよう!移住労働者の声を!」「多民族多文化共生社会へ」をスローガンに、マーチ・イン・マーチ2012が3月25日(日)、上野水上音楽堂で開催された。前段の移住労働者音楽祭に300人、その後のデモに200人が参加。
コンサートは、在日韓国青年同盟東京本部によるプンムルで始まり、アリソン・オパオン(フィリピン)、ノレの会、日本音楽協議会東京都支部、月桃の花歌舞団、京劇連誼会(中国)、神奈川シティユニオン合唱団(ラテンアメリカ)、竹村新(ベラルーシ)、在日シャン民族民主主義会(ビルマ)、グルーポアハストン(ブラジル)が国際色豊かに音楽祭を盛り上げた。その合間には、朝鮮学校高校無償化、被災地支援、入管法改定などについて様々なアピール。コンサート終了後、賑やかに御徒町公園までデモを行った。
マーチ・イン・マーチは、93年にスタートした生活と権利のための外国人労働者一日行動を基に、けんり春闘の一環として毎年3月に取り組まれてきた。一昨年、装いを新たに、日比谷小音楽堂でコンサートを開き、マイケル・ジャクソンの名曲「ウイアーザワールド」を大合唱。外国人組合員らによる歌声は、その年の日比谷メーデーでも再現された。
昨年も同様のコンセプトで準備が進められていたが、開催日の2日前に東日本大震災が起こり、中止を余儀なくされた。今年は、震災後初めてのマーチ・イン・マーチという点も踏まえ、実行委員会で議論した結果、「上を向いて歩こう」を合唱することになった。マーチ・イン・マーチとしては初めて、日本の歌に取り組んだわけだが、「仲間を元気にして、自分たち自身も元気になる歌」として、全員一致で決定した。
中島浩(全統一労働組合)
原発再稼働絶許さないリレーハンスト
福島原発事故はまだ収束してもいないのに、野田政権は原発再稼働に突き進んでいる。現在、大飯原発で狙われている再稼働をなんとしても阻止しようと、地元・福井でハンストに立ち上がった名通寺住職・中嶌哲演さんに応え、この1年間、福島発の運動の中心的役割を果たしてきた「原発いらない福島の女たち」がリレーハンストに入った。
3月31日、「ハイロアクション・福島原発40年実行委員会」の椎名千恵子さん、黒田節子さんが経済産業省前テントひろばで座り込み、リレーハンストがスタート。2日目以降は「原発いらない福島の女たち」メンバーや支援者がリレーしながら午前0時〜24時の1日を単位としてハンスト。5月5日まで続ける。再稼働を阻止すれば、現在1基のみ運転中の泊原発(北海道)がこの日に停止後は原発稼働がゼロになる。目標としてきた脱原発が運動の力で実現する。
福島では、原発事故から1年間が過ぎたが、人間が住んではならないとされる放射線管理区域以上の放射線量(0.6μSv/時)の地域に、子ども・妊婦を含め百万人近い人々が今も生活する。除染、健康調査、食品の放射能検査、子どもたちの一時保養…。この1年間、福島では、それこそ移住以外のあらゆる取り組みが行われたが、わかってきたのは「移住以外に事態の根本的解決はない」ということだ。一度放射能に汚染されれば回復手段はなく、住民は移住するか、被曝を受け入れ病気に怯えながら暮らしていくかのいずれかしか選べない。
もし原発を再稼働させ再び過酷事故が起きれば、どの地域でも同じようになる。原発立地自治体でも、自分の愛する故郷が福島のようになっても良いと考える人はいないと思う。再稼働が狙われている立地自治体にこそ福島のこの教訓を伝えるべきだ。再稼働、がれき広域拡散のような愚かな動きは、福島の経験を共有すれば必ず阻止できる。
地脇聖孝(原発いらない福島の女たちサポーター)
震災に負けず「なみえ焼きそば」店越谷に開業
原発震災で福島県浪江から埼玉県越谷に避難してきたメンバーで「一歩会」(会長・新妻敏夫さん)が結成され、これを中心に「なみえ焼きそば」が誕生した。「一歩会」とは「震災に負けず自立の一歩を踏み出そう」と言うことで名付けられ、現在、越谷だけで300名に会員が拡大し、全国にも拡がっている。
3月4日の「さようなら原発in越谷」集会では、700人以上の市民が参加し、JR南越谷駅前の会場に設置したトラックステージでの制服向上委員会による「ダッダッ脱原発」大合唱などで盛り上がり、生活クラブ越谷生活館まで2.5キロを脱原発を訴えてデモ行進。そして生活館では、富岡町から昨年3月に避難してきた佐藤カヨ子さんを中心に「なみえ焼きそば」などで交流会が開催された。参加者に提供された「焼きそば」は200円で200食、越谷の皆さんも運搬と調理を手伝っていただき大好評をいただいた。
そしてついに「なみえ焼きそば・倖助」が開店した。太麺で豚バラ肉とモヤシを使ったソース味が特長で、一人前420円。営業時間は11時〜19時(14時半から15時半は休憩)で毎週木曜日は定休日。予約電話は048−940−2881。ぜひ多くの方の来店を期待する。B級グルメ全国大会での優勝もめざしたい。
牧村(さようなら原発越谷連絡会)
写真速報 12けんり春闘第三波「4.4中央行動」
日日刻刻「若年完全失業率9.0%(3・19〜30)」
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