たたかいの現場から
865号

6.2つながろうフクシマ!  さようなら原発集会など6万人で大行動

  6月2日、東京・芝公園23号地で「つながろうフクシマ! さようなら原発集会」が「さようなら原発一千万署名」市民の会の主催で開かれ7500人が参加した。集会前に李政美さんのコンサートが開かれ、福島出身者が「かんしょ踊り」を踊った。

  呼びかけ人の落合恵子さんは「柔軟に運動のつながりを強化すること、参院選で脱原発派の流れを呼び戻そう」と訴えた。大江健三郎さんは原発再稼働の動き、核保有国インドへの原発輸出問題を紹介し、「これはヒロシマ・ナガサキへの裏切りであり、原発ゼロへの侮辱だ。しっかりやりましょう」と呼びかけた。
  福島避難者の渡辺ミヨ子さん(農業)は「山菜から1万何千ベクレルというセシウムが出ている。原発事故被害を隠したい強い力が働いている」と現状を批判。「原発を輸出することは、戦争を起こしたことを反省せず、また同じ誤りを繰り返すことだ」と脱原発をめざそうと語った。東井怜さん(静岡/原発震災を防ぐ全国署名連絡会事務局長)が「直下型地震により岩盤が1〜2メートル上がって激しく揺れると浜岡原発は制御棒が入れられなくなり、爆発事故が起きる」と訴えた。

  原発立地点からは、泊(北海道)「今年の12月から再稼働を目論んでいる。津波対策など安全対策は全くなっていない」、福井「大飯原発が唯一稼働しているが次に高浜原発を再稼働しようとしている」、伊方(愛媛)「伊方が次の再稼働に一番近いと言われている」、川内(鹿児島)「商工会は3号機の増設をしたいと要望。原発に頼らない町づくりをしたい」、とのアピールが続いた。

  ゼロノミクマさん(熊のぬいぐるみ)による原発ゼロノミクスキャンペーンが紹介された。ミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原連)が、本日の行動は芝公園、明治公園、午後5時からの国会正門前大集会が脱原発デーとして取り組まれていることを紹介し、国会前集会への参加を呼びかけた。

  最後に鎌田慧さんが「今年の8月になると、また原発ゼロの日がやってくる。ずっと再稼働させない」とまとめの発言の後、デモを行った。

松下 知(読者)

共通番号(マイナンバー)導入法案、国会で可決
  2015年には、新たな番号が通知される

  5月24日、参議院本会議で標記関連法案が、賛成176、反対22で可決、成立した。これにより、2015年10月には、11桁の住民票コードとは別に新たな、それも生涯不変の個人番号が通知されることになった。

  この共通番号(マスコミは「マイナンバー」と呼称)は、民主党政権が12年2月に「社会保障・税一体改革」、とりわけ消費税率引き上げによる逆進性対策として給付付き税額控除などの導入に必須として法案化した。同法案は解散と同時に廃案となっていたが、自公政権が今年3月に社会保障・税改革などの具体的理由もないまま、さらに改悪した内容で上程していた。

  国会での審議は、衆議院23時間、参議院8時間であっさり終了し、反対は共産、社民、生活の党他という圧倒的少数であった。
  拙速でアリバイ的な国会審議だったが、それでも多くの疑問点が明らかになった。共通番号がなくても「情報連携」は可能ということ、所得の捕捉強化や社会保障政策の利便性が増すと宣伝されてきたにもかかわらず、具体性がほとんど示されなかったことなどだ。

  国や自治体での直接的初期費用だけで3千億円弱かかり、番号カード発行費用や民間のコスト、さらにはシステム構築費用を含めれば兆の単位を超えると言われている金食い虫であることも明らかにされた。
  また、個人情報の流出や不正使用を防ぐには、利用範囲を狭め、罰則を強化するわけだが、そうすれば利便性は損なわれる。利便性を優先し、民間利用を拡大すれば個人情報流出の危機は拡大する。こういった二律背反的関係にあるのが、共通番号制度だ。

  また、システム構築をはじめ、実施への詳細な詰めはこれからであり、破たんもあり得るほどリスキーな計画だ。住民票コードを付けられている日本人と在住外国人に番号が通知されるのは2年4ヵ月後、その時に世論は大きく反応するだろう。だから、法律は成立しても運動は終わらない。自治体議員の皆さんには議会質問などを、市民グループや労組の皆さんは学習会などの開催をお願いしたい。

  米国や韓国で大量の個人情報流出やなりすまし被害が続出し、両国とも「何でもかんでも同じ番号」から、分野別番号への切り替えや、別の番号での本人認証へと変わりつつある。
  共通番号制度は時代に逆行するというのが正しい見方だ。

白石孝(プライバシー・アクション代表)

脱原発テントを守る運動が始まった

  5月23日、経産省前脱原発テントの撤去と損害賠償を国が求めた訴訟の第1回口頭弁論が東京地裁で開廷された。
  傍聴券発行わずか28人に対し、298人もの傍聴希望者が列をなし、午前11時からの裁判を前に、地裁前で被告訴人の渕上太郎さんと正清太一さんを支える集会が開かれた。この日までに、裁判の当事者となる申請をした人は287人に達した。
  傍聴希望者全員が地裁内に入り、もっと大きな法廷での開廷を求めた後、250人が日比谷公園から経産省前、霞が関を一周する昼休みデモ。さらに午後1時からは弁護士会館で「脱原発テントと命を守る裁判報告集会」が開催され、二人の当該、河合弘之弁護団長、双葉町の被災者らから裁判にかけた思いが語られた。

  6月3日には、明治大学リバティーホールに300人が集まって「脱原発テント裁判を考える講演会」。「テントひろば応援団」に名乗りをあげた鎌田慧さん、落合恵子さん、広瀬隆さん、小浜からかけつけた中嶌哲演さんらが加害者である経産省が告訴する側に回る転倒に怒りをぶつけた。
  なお次回公判は参院選投票翌日の7月22日。


国富 建治(運営委員)

トップへ

日日刻刻  ILO事務局長の警告(5・8〜28)

たたかいの現場から バックナンバー
たたかいの現場から 投稿について

「たたかいの現場から」の原稿を募集しています。各地での闘いの様子を原稿にしてお送りください。字数は800字前後でお願いします。

 

「たたかいの現場」投稿フォーム

 

協同センター・労働情報 東京都千代田区三崎町2-13-5 影山ビル501号 Tel.03-6675-9095 Fax.03-6675-9097