たたかいの現場から
875号

第1回ワークルール検定 東京で開催

 「働きやすい職場をめざして!」をキャッチフレーズに、労働法の基礎を習得する目的で、連合本部などによる実行委員会が、11月4日に都内で「第1回ワークルール検定」を実施し、300名近い受検者が初級問題に挑戦した。
 去る6月に札幌のNPO法人職場の権利教育ネットワークが実施した「プレ検定」が好評で、定員を超える応募者があったことから、首都圏での実施を検討し、実行委員会方式での開催に漕ぎ着けた。


 このNPO法人は5年ほど前に、ワークルール教育の実現・支援を目的として、当時、北海道大学大学院教授の道幸哲也氏が中心となって設立され、高校などへのワークルール授業の出前講座や、教師を対象としたワークルール授業の実践講座、労働教育資料やテキスト・DVDの刊行などを行ってきた。
 そして景気悪化などの影響で労働相談件数や労使紛争が増加していたが、労働者にワークルールの知識が欠如していると同時に、使用者も同様の傾向であり、企業間競争の激化によって職場におけるワークルールは無視されがちであった。
 さらに、労働条件の不利益変更などから自分を守るためのワークルールを知るニーズは拡大。昨今の労働関連法の改正もあって、それらを労働者が知らなければ自分を守ることさえ困難となる。


 そこで、(1)誰でも興味を持ちやすい、(2)効果的な知識習得手段、(3)職場や家庭で気軽に議論しやすい、(4)ある種の資格と連動することが可能、ということで全国初の「検定制度」創設になった。
 また、検定制度のメリットとして、(1)自分を守る法的な知識が得られ、市民レベルでも労働問題への関心を高める、(2)労働組合では、効果的に組合員研修ができ、職場の問題点の可視化に繋がる、(3)企業では、共通の法的知識が醸成され、適正な労務管理が可能となる、(4)社会的にも働く際のルールが共通のものとなれば、働く者の立場も尊重する社会や文化に貢献できる、など。
 長く労政職員として自治体に勤務した元自治労組合員で、労働相談などを受けてきた者として、このNPO法人の事業推進にボランティアとして参加できる喜びを感じながら報告する。


※11月16日(土)には、道内4ヵ所でも同じ初級検定が実施され、初級合格者には、来年実施予定の中級検定の受検資格が与えられる。なお、合格発表は、東京会場・道内会場とも12月7日(土)。

 

小林 幸一(職場の権利教育ネットワーク事務局長)

 

「安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション」結成

 安倍政権は、解雇規制や労働時間(残業)規制の骨抜き・撤廃など雇用・労働法制大改悪の具体化を進めている。こうした攻撃に労働組合側も反撃を強めている。

 連合も安倍改革への反対姿勢を強めるようになった。全労連や全労協、中小ネットなどの呼びかけによる労政審労働力需給制度部会などに対する行動が行われ、これまでの枠を超えた新たな共闘組織―「安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクション」(雇用共同アクション)の結成に向けて取り組みがなされてきた。

 現在までの参加団体はMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)、全港湾、航空連、純中立労組懇、全労連、全労協、中小労組政策ネット、下町ユニオン、東京争議団共闘、けんり総行動で、今後もいくつかの団体が参加する予定だ。


 10月23日、参議院議員会館で、雇用共同アクションの結成集会が開かれた。
 金澤壽全労協議長が「企業のための労働法制や、賃金奴隷化の労働法制は許せない。力の結集をはかって闘おう。」と開会のあいさつをした。
 続いて小田川義和全労連事務局長が経過報告と雇用共同アクションの結成について報告。雇用共同アクションの目的は、安倍政権の雇用破壊にストップをかけるため、一致点に基づいて共同した取り組みを発展させることである。当面の行動として、(1)労政審論議に対応して、厚労省前アクション取り組む。(2)「国家戦略特区法案」の動向を見つつ、国会行動について検討する、(3)日比谷野外音楽堂集会(12月13日)への大結集を実現する、(4)各県・地域で、宣伝や自治体請願など、共同した取り組みを広げる、など世論喚起をはかり闘いをいっそう発展させる活動を進めていく。


 日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎常任幹事、日弁連の河田英正副会長が激励のあいさつをし、郵政産業ユニオン、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)、日本航空不当解雇撤回原告団、純中立労組懇などから闘いの報告・アピールが行われた。共産党、社民党、民主党の国会議員からのあいさつもあった。
 柚木康子全労協常任幹事が、厚労省前行動などの行動を提起し、最後に鈴木誠一全港湾中央執行委員が、安倍政権の雇用破壊と闘う運動を強めていこうと閉会あいさつをした。

 

木島 敦夫(編集委員)  

 

10.25 JAL集会 1800人が参加

 「鉄(くろがね)の扉を打ち砕いた実感があります」
 10月25日、都内で開かれた「JAL解雇撤回 高裁勝利!早期解決をめざす大集会」で、上条貞夫弁護団長は控訴審をそう振り返った。早期結審を許さず、証人尋問を実現。解雇の不当労働行為性を立証したからだ。その到達点の上に開かれた集会には、1800人が参加。

 JALが加入するワンワールドグループの組合OCCCのパイロットたちが壇上に並び、空の安全を脅かす解雇を批判。キャビンクルーユニオンの古川麻子委員長は「解雇は人の手足を縛るようなものだが、心まで縛れない」。客室原告団長の内田妙子さんは、原告・家族の苦悩に触れながら、「不当判決に倍々返しする」と語った。

 3月にも判決という中、闘いは正念場を迎えた。


北 健一(ジャーナリスト)

 

日日刻刻  経団連の自民党政策評価 (10.8〜29)


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